【サウジダービー(G3)展望】福永祐一×川田将雅「最後の競演」に米国の超大物参戦!?
25日に行われる4回目のサウジカップデー。その6Rに組まれているのがサウジダービー(G3、ダート1600m)だ。
サンバサウジダービーとして開催された第1回は武豊騎手騎乗のフルフラットが、第2回は戸崎圭太騎手騎乗のピンクカメハメハがそれぞれ勝利。昨年はセキフウとコンシリエーレが2、3着に好走したように、とにかく日本馬には相性がいいレース。今年は過去最多の4頭がスタンバイしている。
中でも、最右翼の存在といえるのはデルマソトガケ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だろう。
父は期待の新種牡馬マインドユアビスケッツで、デビューから2戦は芝で凡走していた。しかし、3戦目でダートに転じると、これが吉と出た。
ダート初戦は出遅れもあって3着に敗れたが、続く10月中京の未勝利戦と2戦目のもちの木賞(1勝クラス)をいずれも好位から抜け出して勝利。さらに12月の全日本2歳優駿(G1)でオマツリオトコとの叩き合いを制し、3連勝で2歳ダート王に輝いた。
日本馬の中で6戦のキャリアは最多で、唯一3勝を挙げているように実績は随一。前走時には、2歳戦としてはかなりタフな前半3ハロン35秒6という速い流れも経験している。デビューから手綱を取る松若風馬騎手を背に“ダービー馬”の称号を得ることができるか。
対抗格は近親にアーモンドアイがいるドレフォン産駒、コンティノアール(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だろう。
昨年10月の新馬(ダート1800m)でデビューVを飾ると、もちの木賞でデルマソトガケと初対戦。好位から先に抜け出しを図ったが、ゴール寸前でハナ差捉えられ涙を飲んだ。ただし、5戦目のデルマソトガケに対し、こちらはデビュー2戦目とキャリアの差もあった。
確勝を期した3戦目のカトレアS(OP)は、それまでの先行策から一転、中団待機策を取り、直線で鋭く末脚を伸ばして2勝目。自在性のあるところを見せつけている。
今回は3か月ぶりの実戦となるが、状態面に不安はなさそう。遠征直前に行われた栗東坂路での国内最終追い切りは、ライバル馬デルマソトガケと併せて、がっぷり四つに組み合ったが、一杯に追われたコンティノアールが1馬身ほど先着している。
鞍上は昨秋以降、G1を3勝している坂井瑠星騎手。矢作調教師との師弟コンビで海外重賞制覇を見据える。
デルマソトガケとコンティノアールに続くのは、フルフラットとピンクカメハメハを手掛けた森秀行厩舎の外国産馬2頭だ。
昨年10月のデビューから4戦して「2-0-0-2」のエコロアレス(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)。2勝は1200~1400mのダート戦でいずれも逃げ切っている。前走は中京2歳S(OP)で初めて芝に挑戦したが、逃げることができず9着に惨敗した。
ダートで唯一、後塵を拝したのは7着に敗れたJBC2歳優駿(G3)。この時はハナを切ったものの、1800mの距離もやや長かったか。今回はそれより1ハロン短くなるが、マイル戦への対応がカギとなりそうだ。手綱は現役ラストデーを迎える福永祐一騎手に託された。
森厩舎が送り込む2頭目はフロムダスク(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)。『ウマ娘』オーナーとしてお馴染みの藤田晋氏は、これが海外重賞初挑戦となる。
こちらはデビューから5戦全て芝の短距離を使われ、「1-1-1-2」という成績。ハナを切った時は京王杯2歳S(G2)2着など全て馬券圏内に好走しているが、出遅れたカンナS(OP)と朝日杯FS(G1)はともに惨敗を喫しており、初ダートの今回も先手を奪いたいところ。僚馬エコロアレスとの兼ね合いもあるが、鞍上の川田将雅騎手が果たしてどんな策を打つか。
日本馬の好走が目立つこのレースだが、今年はアメリカの超大物候補と噂のハヴンアメルトダウン(牡3歳、米国・B.バファート厩舎)が待ち構える。
実際、公式サイトに記された「レーティング」は112で、次点のデルマソトガケの110を上回って堂々の1位。ブックメーカーの多くも5戦4勝、2着1回のこの馬を圧倒的1番人気に支持している。今年いっぱいでの引退を表明しているF.デットーリ騎手が鞍上を務めるのも心強い。
エスウニコ(牡4歳、ウルグアイ・A.ペレイラ厩舎)は、19年10月にブラジルで生まれた南半球生産馬で、現在はドバイが拠点。北半球で生産された馬より3か月以上早く生まれており、一見有利に見えるが、斤量は3歳馬よりも4.5kg重い59.5kgを背負わされる。鞍上を務めるJ.モレイラ騎手がこの酷量をどう克服するかが見ものだ。
「ハバナメルトダウンVS日本馬4頭」という構図となった今年のサウジダービー。先頭でゴールを駆け抜けるのはどの馬になるのか。発走は日本時間25日の25時5分を予定している。