「蚊帳の外」藤田菜七子に続く試練の時…後輩女性騎手「直接対決」で存在感なし、同期はG1勝ち量産で焦りも?

「この馬のスピードを生かすような競馬ができたなと思います」

 25日に小倉競馬場で行われた3Rの1勝クラスは、永島まなみ騎手の1番人気ナツイロノオトメが逃げ切り勝ち。レース後に鞍上が喜びを口にした通り、好スタートからハナに立つと、最後は後続に2馬身半差をつける圧勝を決めた。

 また、2着には古川奈穂騎手の4番人気エバニスタが入り、女性騎手同士のワンツーが実現。もはや珍しくない光景となったが、このレースは2Rに続き女性騎手4人が揃い踏みの一戦でもあったため、2人の活躍が大きな話題を集めた。

 さらに、女性騎手たちによる熱戦はこれだけに留まらなかった。

再び女性騎手4人が揃い踏みとなった5Rでは、永島騎手の10番人気コイニョウボウが勝利し、今村聖奈騎手の4番人気オークアンドモルトが2着。この日3度目の直接対決で、女性騎手による2度目のワンツー決着となったのだ。特に永島騎手の2勝は際立っていたが、古川奈騎手や今村騎手も2着内に入るなど、女性騎手3人が揃って存在感を示した印象だ。

 一方、「蚊帳の外」となってしまったのが藤田菜七子騎手である。

藤田菜七子騎手

 これまで女性騎手4人の直接対決は7度(25日終了時)あったが、唯一勝利を挙げることが出来ていない藤田騎手。この日も2Rで13番人気マーマネ、3Rでは7番人気フレンドパル、5Rでは14番人気ピュアゴールドに騎乗したものの、いずれも二桁着順に敗れた。上位人気に推されるような有力馬ではなかったとはいえ、まったく存在感を発揮できなかった格好だ。

「1月中旬には今年初勝利を挙げるなど、幸先良いスタートを切った藤田騎手ですが、その後は勝利がありません。2、3着に入る場面は何度もあるのですが、あと一歩足りてない印象です。

ただ、この日もほぼ二桁人気馬に騎乗しながら、9Rのあざみ賞(3歳1勝クラス)では10番人気ユカリプレリュードで逃げ粘って4着に入るなど、騎乗自体が不振だとは思いません。どうにか辛抱して、復調のキッカケを掴んでほしいですね」(競馬誌ライター)

 2016年にデビューして以降、4年目には年間43勝を挙げるなど、今や女性騎手の第一人者となる藤田騎手。2019年のカペラS(G3)では、コパノキッキングとのコンビで重賞初制覇を飾り、JRA史上初の女性騎手による重賞制覇も達成した。

 しかし、その後は成績が徐々に右肩下がりに……。昨年はデビュー年(6勝)を除けば自己ワーストの年間8勝と厳しい結果に終わった。今年に入っても今村騎手や永島騎手に多くのスポットが当たる中、苦戦が続いている。

「昨年大活躍したルーキーの今村騎手と比較しても、藤田騎手は乗鞍や騎乗馬の質で大きな差が見受けられます。25日終了時点で今村騎手が102戦して1~5番人気が半分以上の55鞍に対し、藤田騎手は52戦して6鞍のみ。永島騎手(105戦中34鞍)や古川奈騎手(46戦中14鞍)と比べても見劣る数字です。

また、昨年は同期だった坂井瑠星騎手や荻野極騎手がG1初制覇を飾るなど躍進。特に坂井騎手は先週のフェブラリーS(G1)でも、初騎乗となったレモンポップを勝利に導くなど勢いが止まりません。同期の大活躍に刺激を受ける反面、悔しさや焦りもあるかもしれません」(同)

 女性騎手同士の対決で結果を出せない日々が続くだけでなく、同期との差も大きく開く一方の藤田騎手。まだ2023年も始まったばかりとはいえ、そろそろ明るいニュースがほしい。

GJ 編集部

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