武豊に次ぐ「2位」の記録保持者に大チャンス到来!? 福永祐一、川田将雅も評価した高額馬が豪脚一閃でクラシック候補に名乗り
25日に阪神競馬場で行われたすみれS(L)は、単勝1.8倍に推されたシャザーン(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が人気に応えて快勝。一昨年のセレクトセールにて2億4200万円で取引された高額馬が、クラシック候補に名乗りを上げた。
着差こそ3/4馬身と僅かだったものの、その内容には目を見張るものがあった。
鞍上の岩田望来騎手が「ちょっと躓いて」と振り返った通り、スタートで出遅れて最後方からの競馬となったシャザーン。前半1000m通過1分4秒4の超スローペースだったこともあり、後方一気を決めるには厳しい展開でもあった。
それでも、4コーナーでは抜群の手応えのまま追い上げを開始。最後の直線では大外からラスト3ハロン最速33秒1の末脚を繰り出し、ライバル達を豪快に差し切ってみせた。
「出遅れた時はどうなるかと思いましたが、まったくの杞憂に終わりましたね。レース後には岩田望騎手が『まだ余力を残しています』とコメントしていたように、まだまだ実力的に奥がありそうです。
シャザーンといえば、過去に鞍上を務めた福永祐一騎手や川田将雅騎手も素質を評価した逸材ですし、母にエリザベス女王杯(G1)を勝ったクイーンズリングを持つ良血でもあります。すみれSも過去にフサイチコンコルドやキングカメハメハなどのダービー馬を輩出した出世レースですし、今後の期待も自然と膨らみます。
次戦は未定ですが、賞金も無事に加算出来ましたし、皐月賞(G1)に向かう可能性もありそうです。3歳世代の牡馬は混戦模様ですし、クラシックではダークホース的な存在となるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)
また、岩田望騎手にとっても嬉しい勝利だったに違いない。
シャザーンのデビュー戦で手綱を取った福永騎手は、今月一杯で騎手を引退。前走で鞍上を務めた川田騎手も、皐月賞には朝日杯フューチュリティS(G1)で2着に入ったダノンタッチダウンと臨む予定だ。
所有する金子真人オーナーや友道厩舎とのタッグでも、2年前の皐月賞でヨーホーレイク、昨年の大阪杯(G1)でマカヒキを任されている岩田望騎手。本番でも引き続き、継続騎乗する可能性は十分考えられる。
「昨年は武豊騎手(19歳8か月12日)に次ぐ史上2番目(22歳6か月24日)の速さで年間100勝超えを達成するなど、成長著しい岩田望騎手。近年はリーディングでも上位に入る若手のホープだけに、やはり待ち遠しいのはG1初制覇でしょうか。
すでにヴァレーデラルナで交流G1のJBCレディスクラシックを制していますが、JRAのG1は高松宮記念(G1)をロータスランドで2着に入るなど、あと一歩届いていません。そんな中で、素質馬シャザーンの鞍上を託されたことは絶好のチャンスだと言えるでしょう」(同)
レース後には「もっともっと上を目指せる」とシャザーンを称えた岩田望騎手。自身初のG1制覇へ、また一歩近づいたかもしれない。