100万ドルの男が危機一髪セーフ!? 弥生賞(G2)あと一歩で権利取りの好騎乗も、前日にあわや「ドバイOUT」の危険騎乗
先月下旬に行われたサウジC(G1)を制し、僅か2分弱で1000万ドル(約13億円)の大金を稼いだパンサラッサ。その10%にあたる100万ドル(1億3000万円)を手にしたのが鞍上の吉田豊騎手だった。
JRAではまずあり得ない高額賞金ゲットに日本国内は大盛り上がり。SNSなどでは吉田豊騎手を「13億円の男」や「100万ドルの男」などと呼ぶファンも多数出現した。
パンサラッサが次走として今月下旬に両睨みで予定しているドバイ(ドバイワールドCとドバイターフ)のいずれかを勝って連勝するようなら、吉田豊騎手はさらに数千万円の賞金を手にすることになる。
そんなサウジC制覇の興奮が冷めやらぬ先週末(4~5日)、吉田豊騎手は土日ともに中山で騎乗。日曜メインの弥生賞ディープインパクト記念(G2)では10頭立ての9番人気アームブランシュを道中最後方から4着に導いた。
吉田豊騎手はレース後、「3~4コーナーでモタモタするので、馬を怒らせて行って、ハミを取ってくれました」と勝負所で馬にやる気を注入したことを明かし、「ゴールを過ぎても伸びていました」とクビ差で皐月賞(G1)の権利を逃した悔しさを表した。
弥生賞での好騎乗が光った吉田豊騎手だが、その前日に帰国初戦でいきなり勝利を飾っていたものの、その騎乗ぶりは決して褒められたものではなかった。
あわや「ドバイOUT」の危険騎乗…
問題のレースは4日の中山5R・3歳未勝利戦(芝1600m)。吉田豊騎手が騎乗したのは2番人気のダイシンヤマト(牡3歳、美浦・戸田博文厩舎)だった。
ダイシンヤマトは好スタートを決めたものの、序盤は口を割って折り合いに一苦労。鞍上が何とか我慢させてちょうど中団のインに収まった。3~4コーナーでは抜群の手応えで先行集団に取り付いていったが、4角手前で先行馬がズラッと横に壁になっており、鞍上は内にスペースが空くのを待つか、外に出すかの選択を迫られた。
吉田豊騎手は前が詰まるのを嫌い、後者を選んだのだが――。
「4角で大きく外に膨れてすぐ外にいたルージュナディアに“タックル”するような形になってしまいました。同馬は大きく外に弾かれてしまい、その影響はさらに外にいた他の4頭にも波及。4角で各馬が加速していくタイミングだったため、非常に危ないシーンに映りました」(競馬誌ライター)
実際、レース直後には血統評論家の水上学氏が自身のTwitterに「騎乗停止になるかも」「あの4コーナーはやらかした感」とツイートし、吉田豊騎手に重い処分が下されてもおかしくないという見解を述べていた。
SNS上でも「1億3000万円をゲットして気が緩んだかな」「これでドバイが騎乗停止になったらきついな。でもそれくらい悪質に見えた」などファンから様々な意見が飛び交ったが、JRAが下した裁定は「斜行による戒告」止まりで、過怠金すら発生しない軽微なものだった。
この“激甘”といわれても仕方がない処分には、水上氏も「吉田豊騎手戒告に留まりましたか。うーん……」とツイートし、納得がいかなかった様子。SNS上では他のファンからも疑問の声が上がっていた。
サウジC直後の凱旋騎乗はやや後味が悪い内容となってしまった吉田豊騎手。来週以降は弥生賞で見せてくれたような好騎乗を連発してほしいところだ。