オークス(G1)ソウルスターリングに「超早熟説」浮上!? 21世紀最強馬フランケルに囁かれる限界説……世界の産駒たちの「今」
「距離不安説」に関しては父フランケルが史上最強のマイラーであり、現役時にも2000mまでしか走っていないこと、そして初年度産駒だけに傾向が見えていないことが大きい。実際に数少ないサンプルの中で、本馬の他に唯一重賞勝ちのあるミスエルテが「マイルですら長い」という状況に陥っていることも有力な判断材料といえるだろう。
こればかりは実際に走っていないのだから、やってみないとわからない。ただ、オークスは府中2400mという”額面”よりもスタミナを要さない傾向は明らか。桜花賞で敗れたとはいえ世代トップクラスの能力を誇るソウルスターリングであれば、多少の距離不安を能力でカバーしてしまう可能性は高い。
ただ、同時に囁かれている「超早熟説」に関しては、なんとも言い難い面がある。
それは本馬が3歳春を迎えた桜花賞でキャリア初の敗北を喫したことが起因となっているが、先述したミスエルテも昨秋にファンタジーSを勝利した時点では、牡馬も含めて「世代No.1」という呼び声さえあった存在だった。それが今は桜花賞に続き、7日のNHKマイルC(G1)でも惨敗し、かつての輝きをすっかり失っている。
さらに昨年ソウルスターリングとミスエルテによって吹き荒れたフランケル旋風だったが、この2頭の後に続く産駒がいないことも大きな要因といえる。
フランケルの初年度産駒として、現在日本でデビューしているのは合計8頭。しかし、先述した2頭を除いては未だ未勝利という惨状だった。先週の未勝利戦でようやくフローラデマリポサが3頭目の勝ち上がりとなったが、本馬は半年生まれが遅い南半球産。つまり実質まだ2歳馬のようなもので、フランケル産駒の「超早熟説」の否定には繋がらない。
余談だが、日本でデビューした8頭のフランケル産駒は、すべて1番人気でデビュー戦を迎えている。ただ、戦績は合計2勝6敗。敗れたのはすべて馬券圏外と、今年も複数の超良血フランケル産駒が控えているだけに頭に入れておきたい傾向だ。
そして何よりも、この説に拍車をかけているのがフランケル産駒にとって「本場」となる欧州でのここに来ての失墜ぶりだ。