「メンタル崩壊」懸念された前代未聞の不祥事! 今村聖奈は「30連敗」突入も…他の若手騎手は存在感を発揮

 先日発覚した若手騎手6名による不適切な通信機器の使用事案。開催日における騎手控室内で問題行動があったとして、今村聖奈角田大河、永島まなみ、古川奈穂、河原田菜々、小林美駒ら6名の若手騎手に5月13日から6月11日まで、30日間の騎乗停止という重い処分が下された。

 6人が一斉に長期騎乗停止という前代未聞の不祥事は、関係者やファンの話題を独占。ネットや各メディアでも数多く採り上げられることとなった一方で、JRA側の管理不行き届きも無関係ではなかったという声も出た。

 スマートフォンの進化が著しい昨今では、何をするにしてもスマホを片手に可能なことも増えている。過去のレース映像や騎乗馬のチェックも可能な訳で、若い世代の騎手にとってスマホは手放せないアイテムのひとつといっても過言ではない。この辺りは時代の変化とともに見直しが必要となるかもしれないがルールはルール。公正確保の観点を考慮すると、疑われる行動は慎まなければならないだろう。

「メンタル崩壊」懸念された前代未聞の不祥事!

 その一方で懸念されたのは対象となった6名の騎手のメンタルだ。なぜなら制裁が翌週からの適用となるため、世間からの厳しい目に晒される状況で先週末の開催を迎えなくてはならなかったからだ。

 とはいえ、結論から言えば永島騎手が6日の土曜に調整ルームへの入室が遅れたことについて戒告を受けるという過失はあったものの、それ以外に大きなアクシデントは発生しなかった。

 ルーキーの河原田、小林の両騎手は人気薄の騎乗が多かったことを思えば、それほど影響を感じさせない成績。2勝を挙げた永島騎手、古川奈騎手、角田河騎手らについては存在感を発揮したのではないか。

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 ただ、結果的に最も精彩を欠いたといえそうなのが今村騎手である。

 騎乗馬に上位人気馬が少なかった影響もあるだろうが、8鞍に騎乗して未勝利。2週前から続くトンネルもこれで30連敗(放馬で除外を除く)となり、気持ちの沈んだまま謹慎期間へと突入する。これまではSNSなどで公私に渡ってファンに情報を発信してくれた今村騎手だが、しばらくは自重する可能性が高そうだ。

 ルールを破ってしまったことは事実であり、対象となった6名の騎手に猛省が求められることは勿論だが、外から競馬を客観的に見るきっかけにもなるはずだ。ゴールデンウィークどころか季節外れの夏休みともいえそうな30日間の騎乗停止。この機会にもう一度競馬に真摯に向き合い、さらに成長した姿で復帰してくれることを期待したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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