オークス(G1)3連勝中の伏兵モズカッチャンが激走!? 過去フローラS好走組と「激走条件」合致!重要なのはタイムではなく「〇〇」だ
つまり、フローラSで肝心なのは「オークスと同様のレース傾向」になりやすいスローの展開でしっかりと折り合い、ただでさえ全体上がりの速くなる瞬発力勝負の中で、それでもライバルを上回る末脚を繰り出せる能力を兼ね備えていることである。
ちなみに昨年は36.0-36.1と平均ラップだったが、チェッキーノと5着に敗れたビッシュはともに上がり最速タイをマークして、本番でも馬券圏内を確保している。
そういった点で、今年のフローラSは37.1-34.7と明らかな後傾ラップ。しかもモズカッチャンが記録した上がり3ハロン33.9秒は、メンバー最速となっている。この激走に鮫島調教師でさえ「権利だけは獲りたいと思っていましたが、びっくりしました」と管理馬の成長力に目を丸くしたようだ。
開幕週の東京2000mの1枠1番ということで「恵まれた」という声もあるが、実はフローラSになってからの過去17回で1枠1番が馬券になったことは、2011年の2着と2015年の3着、そして今年の1着の3度しかない。
内側が有利なのは自明の理で、各馬が内に殺到するため、結局内枠の馬がスムーズなレースができない例も多いようだ。
実際にモズカッチャンも2コーナーで寄られる不利を受けており、加害馬のタガノアスワドは戒告を受けている。それでも馬群を縫うようにして進出し、最後も粘り込みを図ったヤマカツグレースやフローレスマジックをねじ伏せるように捉えた末脚は、とても12番人気の伏兵の走りには見えなかった。
「馬の力を信じていきたい」共同会見でそう語った和田竜二騎手。3連勝でトライアルを制したものの、未だ伏兵扱いを受けているモズカッチャン。好配当の使者となれるか。