「騎乗停止」今村聖奈が“失った”2勝……、“かっさらった”中堅騎手は「土日5勝」の大暴れで軌道に乗るか

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 若手騎手6人がスマートフォンの不正利用により受けた30日間(開催10日間)の騎乗停止処分が13日から適用された。6人の中で今村聖奈騎手は騎乗依頼も多い人気騎手のため、その影響も大いに注目を浴びた。

「3-4-0-6/13」―――。

 これは先週末の2日間(13~14日)で、前走時に今村騎手が騎乗していた馬の成績だ。もちろん今回は他の騎手に乗り替わっていたが、連対率は50%を超える好成績。特に今村騎手が騎乗していたであろう新潟では「2-4-0-1」で、連対率は85.7%に達した。

 もちろん今村騎手がそのすべてに継続騎乗を予定していたとは限らないが、この数字だけを見ても、騎乗停止による代償の大きさが分かるだろう。昨年の新潟年間リーディングを獲得した騎手だけに、仮に騎乗停止処分がなければ、多くの騎乗依頼が舞い込んでいたはずである。

菱田裕二騎手 撮影:Ruriko.I

 そんな今村騎手の“ピンチ”を“チャンス”に変えた騎手がいる。12年目の中堅、菱田裕二騎手のことだ。

「土日5勝」の大暴れで軌道に乗るか

 ローカル新潟で騎乗した先週末は、2日間で合計5勝を挙げる大暴れ。騎手リーディングは前週の25位から一気に17位まで浮上した。

 また、菱田騎手が挙げた5勝のうち2勝は、前走で今村騎手が手綱を取っていた馬でのものだった。乗り替わりは予定通りだった可能性も考えられるが、菱田騎手がどちらもテン乗りで勝利に導いたのは事実だ。

 12年にデビューした菱田騎手もすでに30歳を迎え、若手とはいえない年齢に差し掛かった。1年目から23勝→52勝→64勝と、3年目までは順当に勝ち鞍を伸ばしていたが、減量の恩恵がなくなった頃から徐々に成績は下降。それでも毎年30勝前後をコンスタントに挙げる安定したパフォーマンスを続けている。

 7年目の18年に重賞初勝利を飾ると、これまで重賞を通算5勝。8年ぶりに年間50勝に達した昨年は重賞で24回騎乗していたが、今年はここまで5回だけの騎乗にとどまっていて、やや停滞している印象もあった。

「菱田騎手は昨年、テーオーロイヤルとのコンビでダイヤモンドS(G3)を制覇。続く天皇賞・春(G1)でも3着とG1初制覇も意識できるところまで来ていました。秋も同コンビの活躍に期待がかかりましたが、オールカマー(G2)からの3戦はいずれも凡走に終わっています。

今年は天皇賞・春を大目標にしていたテーオーロイヤルでしたが、2月に放牧先で骨折してしまい、復帰は早くても夏頃になるようです。そんなお手馬の故障も相まって昨年に比べると、重賞での騎乗機会も減っているだけに、先週末の大活躍は明るい兆し。これに乗じて軌道に乗っていく可能性は十分あると思いますよ」(競馬誌ライター)

 しばらく重賞での騎乗機会こそない菱田騎手だが、5勝の固め打ちで春の新潟リーディングも狙える位置に浮上した。この勢いで勝ち鞍を重ねていきたいところだ。

GJ 編集部

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