【日本ダービー】7勝目狙う武豊にダブルパンチ!? 「テン乗りNGと12戦全敗」の大幅割引が痛恨…C.ルメールの“おこぼれ”騎乗も期待薄か

ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

「ファントムシーフの騎乗依頼を受けたことで、気分はガラリと変わってダービーらしく盛り上がっています」

 17日、自身のオフィシャルサイトでそう記したのは競馬界のレジェンド武豊騎手だ。

 武騎手は28日に東京競馬場で行われる第90回日本ダービー(G1)でファントムシーフ(牡3歳、栗東・西村真幸厩舎)と新コンビを結成。目指すのは昨年のドウデュースに続く、自身7度目のダービー制覇だ。

 ドウデュースとファントムシーフには吉兆といえる共通点がある。それは1番人気に支持された皐月賞(G1)で3着に敗れていたことである。実はドウデュース以外にも、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、タニノギムレットの3頭が皐月賞で1番人気を裏切った後にダービーで巻き返しに成功している。誰よりもダービーの勝ち方を知る武騎手にとってまさに“理想の臨戦過程”といっていいだろう。

 ただし、これまでと大きく違うのが騎乗経験の有無である。

 武騎手が挙げたダービー6勝は全て継続騎乗でのもの。テン乗りどころか、前走から乗り替わっての戴冠は一度もない。

「そもそもダービーというレース自体、乗り替わりが鬼門ということは広く知られています。2年前に福永祐一騎手(現調教師)がシャフリヤールを勝利に導きましたが、騎乗は3度目でした。今回の武騎手のように全くの初騎乗でダービー制覇となると、1954年ゴールデンウエーブの岩下密政騎手が最後。70年近くもテン乗り騎手による勝利はありません。

さらにC.ルメール騎手がファントムシーフに乗っていたことも見過ごせません。皐月賞はソールオリエンスの強さだけが際立ち、2着以下の馬とは勝負付けが済んだ印象もあります。ルメール騎手は青葉賞(G2)を勝ち、ソールオリエンスと未対戦のスキルヴィングを選んだのも、そういう考え(スキルヴィングにより勝利の可能性がある)があってのことでしょう」(競馬誌ライター)

 つまり、武騎手にとってファントムシーフは、ルメール騎手がスキルヴィングを選んだため巡ってきた“おこぼれ”と言ってもいいかもしれない。

 2人はエージェント(豊沢信夫氏)が同じとあって、両者間で乗り替わりが発生するケースも少なくない。今年に入ってからルメール騎手から武騎手への乗り替わりは重賞で2度あったが、どちらも勝利を収めている(シンザン記念=ライトクオンタム、アーリントンC=オオバンブルマイ)。

【前走ルメール騎手→今回武豊騎手のG1全成績】

2022年安田記念/ファインルージュ(3番人気/5着)
2021年宝塚記念/アリストテレス(4番人気/9着)
2021年オークス/クールキャット(6番人気/14着)
2020年朝日杯FS/ドゥラモンド(5番人気/7着)
2020年日本ダービー/サトノフラッグ(4番人気/11着)
2020年ヴィクトリアマイル/コントラチェック(8番人気/14着)
2019年朝日杯FS/タイセイビジョン(2番人気/2着)
2019年高松宮記念/モズスーパーフレア(2番人気/15着)
2018年天皇賞・秋/マカヒキ(3番人気/7着)
2018年秋華賞/カンタービレ(3番人気/3着)
2017年皐月賞/ダンビュライト(12番人気/3着)
2015年エリザベス女王杯/ノボリディアーナ(9番人気/12着)

 とはいえ、上記のようにG1となると、話は別だ。過去12回の騎乗で勝利はなく、馬券に絡んだのも3回(2着1回、3着2回)だけという結果が残っている。果たして13回目となるルメール騎手からの“おこぼれ”でダービー7度目Vはなるか。

GJ 編集部

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