鈴木和幸の第84回日本ダービー(G1)最終追い切り診断
ウッドの併せ馬で4馬身先着、余力残しで5F64秒0-37秒1-11秒9の好タイムを出した「ベストアプローチ」。これは2着した青葉賞時をはるかにしのぎ、さらに一段と調子を上げている。とくに決して頭を上げない重心の低いフォームが印象的で、1勝馬じゃないかと侮ってはいられない。
皐月賞2着、激走の反動が心配された「ペルシアンナイト」だが、一切の心配無用、18日に実戦さながらの併せ馬でウッド6F83秒1-38秒8-11秒5をマークしている。今週は馬の気任せの馬なりで行き、結局、最後まで追ったところなし。それで1馬身先着し、51秒8-37秒3-11秒8でゴール。皐月賞以上はあっても以下のない、素晴らしい状態で金メダルを狙う。
「マイスタイル」は元来、調教駆けするが、今週はウッド6F86秒8-39秒8と平凡だった。もっともこれは意識してセーブしたからで、1Fを11秒7でまとめ、併走2馬身先着はさすが、調子は悪くない。
すでに9戦のキャリアがある「マイネルスフェーン」。中間も順調に過ごし、今週ウッド5F69秒1-39秒1の動きに乱れはなかったが、ラスト1F13秒1は物足りないし、前走(青葉賞2秒4差9着)が前走だけに。
ソエ悪化のために、皐月賞がホープフルステークスからのブッツケになってしまった「レイデオロ」。しかし、その後はすこぶる順調で、17日の1週前追い切りもウッド4F53秒2-39秒2-12秒8馬なりで軽快な動き。今週も同じくウッドの4Fから、先行2頭を追いかけ直線半ばから仕掛ける形、ゴールではきっちりクビほど出たろうか。52秒9-38秒8-12秒7なら時計的にも十分で、ゴールが近づくとハミを取り、前を捕らえきった闘志にひと叩きの効果が。何もかもが前走以上、先週のオークスを勝ったソウルスターリングの最終追い切りを見ているようだった。藤沢和雄調教師の悲願達成も近い。
牡馬クラシック第二戦、好メンバーが揃った東京優駿(日本ダービー)を制するのはどの馬か? 「鈴木和幸の最終予想」はコチラで公開しております。
●競馬評論家・鈴木和幸
競馬記者歴45年、競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を本誌予想として初めて達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。
著書に「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」「勝ち馬がわかる競馬の教科書」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)「図解競馬の参考書」(宝島)など多数。「勝ち馬がわかる競馬の教科書」は競馬書籍としては快挙とも呼べる、約7万部を発行している。鈴木和幸氏の予想はコチラで公開中。