日本ダービーの向正面で「何」があったのか 「動いたルメール」と「動けなかったデムーロ」後手を踏んだ1番人気に”トドメ”を刺した「怨念」?
これも因果応報というものなのだろうか。
「ついてない……」
28日に開催された日本ダービー(G1)。レース後、アドミラブルに騎乗していたM.デムーロ騎手はそう肩を落とした。
トライアルの青葉賞(G2)をレコードタイムで完勝し「史上最強のチャレンジャー」として挑んだアドミラブル。主役不在のクラシックで、新たな英雄の登場を待ち望んでいたファンは、青葉賞馬として史上初めてのダービー1番人気に支持した。
だが、結果は後方からメンバー最速33.3秒の末脚で追い上げたものの3着。ダービー史に残る超スローペースで前が止まらない中、後方勢で唯一の入着と力は示した。だがレース後、不利な直線勝負に徹した鞍上のデムーロ騎手を責める声は小さくなかった。
その姿は、あまりに対照的だった。
今年のダービーの雌雄を決した向正面での出来事だ。アドミラブルに次ぐ2番人気のレイデオロに騎乗していたC.ルメール騎手がスローペースを察して、外から早めの進出を開始。積極的な仕掛けでぐんぐんポジションを上げていく中、最初はどよめきだった歓声もターフビジョンに1000m通過が「63.2秒」と記された途端、歓声に変わった。
「ペースが遅かったから、バックストレッチでポジションを上げました」