【2023年海外G1・3歳馬編】凱旋門賞登録オッズメンバーからみる今年の海外G1の面白さとは?
日本ではG1レースの開催がない“夏競馬”の期間だが、逆に欧州ではG1シーズン真っ盛りである。
これは、10月初旬の凱旋門賞(仏G1)が欧州競馬シーズンの締めくくり的な意味合いが強く、日本だと有馬記念(G1)のイメージに近いだろうか。
現在、凱旋門賞までのG1の道のりを辿る熾烈な争いが演じられているが、英国ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表している最新の想定オッズを基に3歳の有力馬を紹介したい。
現3歳有力馬は?
1番人気7.0倍 オーギュストロダン(牡3、愛・A.オブライエン厩舎)
日本近代競馬の結晶ともいわれたディープインパクトのラストクロップ。イギリスダービー(英G1)では、父を彷彿させる後方一気の豪脚で2着のキングオブスティールを半馬身差交わし快勝。
続くアイルランドダービー(愛G1)では直線に入ると先頭に立ち、2着のアデレードリバーを力で捻じ伏せ勝利し、史上19頭目となる英・愛ダービー制覇を成し遂げた。
本馬を管理するオブライエン調教師は欧州クラシック100勝目となり、主戦のR.ムーア騎手はアイルランドダービー初制覇となった。
2番人気8.0倍 エースインパクト(牡3、仏・JC.ルジェ厩舎)
チャンピオンS(英G1)を連覇したクラックスマンを父に持ち、これまで4戦4勝の無敗で今年のフランスダービー(仏G1)を3馬身半差で圧勝。なお、主戦騎手は日本でお馴染みのC.デムーロ騎手である。
4番人気11.0倍 ソウルシスター(牝3、英・J&T.ゴスデン厩舎)
父は未だ世界一の馬として呼び声高いフランケル。今年のイギリスオークス(英G1)を最後方から差し切り重賞を連勝した。主戦騎手は今年で引退表明している世界ナンバーワンジョッキーのL.デットーリ騎手という部分も心強い。
5番人気13.0倍 セーブザラストダンス(牝3、愛・A.オブライエン厩舎)
英・愛ダービー馬ガリレオを父に持ち、イギリスオークスでは1番人気ながらソウルシスターの2着に敗れたが、前走のチェシャーオークス(L)では重馬場の中、2着馬に付けた22馬身差の衝撃は、かのスノーフォールを思い出させる走りだった。
これだけではない新星が現れる可能性も?
これから凱旋門賞までに欧州で多くのG1や重賞が開催される中、この先の想定オッズに新たなメンバーが加わることも楽しみである。
中でも注目したいのが、今月の8日にエクリプスS(英G1)を制したパディントン(牡3、愛・A.オブライエン厩舎)だ。本馬は同レースでG1 2勝馬のエミリーアップジョンを半馬身差で撃破。
これまで芝1600mまでを主戦場としてきたが、芝1990mのエクリプスSで距離の壁を克服。6連勝(うちG1を3連勝)で新たに頭角を現した新星といえる。なお、父のシユーニは主に仏国で走り、3歳時の主戦騎手はC.ルメール騎手だった。
パディントンは今のところ凱旋門賞の想定オッズに入っていないが、この活躍を考えれば、この先ランクインはもちろん、前述したメンバーたちと戦うことも想定される。
凱旋門賞は、毎年10月の第1日曜日に開催され、これまで20頭だったフルゲートは今年から24頭に拡大される。出走条件は3歳以上の牡馬・牝馬で繁殖能力のない騙馬には出走資格は与えられていない。
昨年は、フランケルを父に持つアルピニスタが古馬牝馬ながら優勝。ジャパンC(G1)参戦も予定されていたが、直前の故障により引退した。
世界中のホースマン誰もが夢見る勝利を、今年はいったい誰が手にするのか。今からでも有力馬の動向を知っておくことも凱旋門賞の楽しみ方の1つと言えるのではないだろうか。