【クイーンS(G3)展望】打倒リバティアイランドへ「ドゥーラVSライトクオンタム」3歳対決! ソダシ撃破の6歳牝馬も虎視眈々

ドゥーラ 撮影:Ruriko.I

 30日、札幌競馬場では牝馬限定重賞のクイーンS(G3)が行われる。かつては3歳牝馬による限定戦だったが、2000年から古馬との混合戦に変更。秋華賞(G1)やエリザベス女王杯(G1)など、秋のG1戦線を目指す牝馬にとって重要なステップレースとなっている。

 今年は3歳馬も複数頭スタンバイ。特に注目されるのがドゥーラとライトクオンタムの2頭である。

 前走のオークス(G1)で3着に激走したドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)は、秋華賞に向けて夏の北海道から始動する。昨夏の札幌でデビューし、初戦こそ4着に敗れたが、2戦目で初勝利を飾ると、3戦目の札幌2歳S(G3)で強豪牡馬を破り、重賞初制覇を遂げるなど相性のいい舞台だ。

 その後は阪神ジュベナイルF(G1)で6着、年明け初戦のチューリップ賞(G2)で15着、そして桜花賞(G1)で14着といいところがなかったが、前走のオークスで15番人気ながら馬券に絡む好走を見せた。

 3戦ぶりにコンビを組んだ斎藤新騎手が「これくらいの距離が合っていると思っていました」と話したように、ドゥーラは距離延長を味方に強烈な末脚を披露。世代牝馬ではリバティアイランドの実力が突出しているが、それに次ぐ2番手グループの一角に評価を回復させた。

 鞍上は引き続き斎藤騎手が務めるが、このコンビの時は5戦中4戦で上がり最速をマーク。残る1戦のオークスもリバティアイランドと0秒1差の34秒1でメンバー2位だった。1年前に3戦して知り尽くした札幌芝1800mが舞台なら、古馬との初対戦も難なく突破する可能性は高いだろう。

ライトクオンタム 撮影:Ruriko.I

 オークスでその実力を改めて示したドゥーラに対して、ライトクオンタム(牝3歳、栗東・武幸四郎厩舎)は正反対。リバティアイランドから4秒0差のブービー17着に敗れ、評価が急落した。

 ディープインパクトのラストクロップの1頭として、注目度の高かったライトクオンタム。昨秋の新馬戦を逃げ切ると、2戦目のシンザン記念(G3)で差し切り勝ちを収め、桜花賞の有力候補に躍り出た。

 実際に桜花賞ではリバティアイランドに次ぐ2番人気に支持されたが、初めての多頭数競馬で馬群に揉まれる厳しい展開となり8着。キャリアの浅さが露呈する形となった。

 続くオークスは12番人気まで評価を落とすと、武豊騎手にも振られ、田辺裕信騎手との初コンビ。距離不安がある中、1000m通過60秒0のハイラップで逃げたが、玉砕に終わった。今回は再び武騎手に手が戻り、距離も1800mに短縮。古馬相手に真価が問われる一戦となりそうだ。

 3歳馬2頭に立ちはだかる古馬の代表格は、6歳を迎えたイズジョーノキセキ(牝6歳、栗東・中村直也厩舎)だ。

 3歳春に忘れな草賞(L)で2着に入るなど、早い時期からその素質の高さを見せていた。4歳秋には3勝クラスから挑んだエリザベス女王杯(G1)で5着に健闘したが、オープン入りしたのは5歳になった昨年6月の垂水S(3勝クラス)。そのレースで今年の大阪杯(G1)にも出走したノースザワールドに競り勝つと、4か月の間隔を空けて臨んだ府中牝馬S(G2)でソダシを撃破。ついに重賞タイトルをつかんだ。

 その後は、エリザベス女王杯こそ10着に敗れたが、有馬記念(G1)で4着に激走。この一戦で陣営は予定していた引退を撤回し、現役続行を決めた。

 今年は始動戦の阪神牝馬S(G2)で消化不良の10着に敗れると、続くヴィクトリアマイル(G1)も見せ場なく15着に惨敗。これを受けて石坂公一厩舎から中村厩舎への転厩が決まった。府中牝馬S以来の1800m戦、初めての洋芝で復調のきっかけをつかみたい。

ルビーカサブランカ 撮影:Ruriko.I

 イズジョーノキセキと同世代のルビーカサブランカ(牝6歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、この夏の函館ですでに2戦を消化。2走前の巴賞(OP)は5着だったが、前走の函館記念(G3)で2着に食い込み、復調気配を見せている。

 中1週続きの厳しいローテーションとなるが、洋芝では9戦して「0-3-3-3」。全て5着以内を確保している得意な条件で、好調を維持するC.ルメール騎手を背に、昨年の愛知杯(G3)以来となる重賞2勝目を狙う。

キタウイング 撮影:Ruriko.I

 重賞タイトル数でドゥーラとライトクオンタムを上回る3歳馬がキタウイング(牝3歳、美浦・小島茂之厩舎)だ。

 重賞2勝の内訳は昨夏の新潟2歳S(G3)と今年1月のフェアリーS(G3)。どちらもメンバーがやや手薄だったこともあるが、嵌ったときの末脚は魅力。春のクラシックは桜花賞で12着、オークスが15着といいところなく敗れたが、今回は江田照男騎手に乗り替わっての激走に期待がかかる。

 この他には、重賞初騎乗の古川奈穂騎手とコンビを組むグランスラムアスク(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)、21~22年ターコイズS(G3)を連覇したミスニューヨーク(牝6歳、栗東・杉山晴紀厩舎)、当レースで2年連続馬券圏内に好走中のサトノセシル(牝7歳、美浦・堀宣行厩舎)などもチャンスは十分あるだろう。

 秋の飛躍を目指す牝馬による重要な一戦、クイーンSは30日、15時35分に発走を予定している。

関連記事

JRA最新記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 17:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS