来年のオークス“予約済み”の2歳牝馬が登場! 2日間で「9頭出し」西山茂行オーナーが総攻撃を仕掛ける!?

撮影:Ruriko.I

「ニシノ」「セイウン」の冠名でお馴染みの西山茂行オーナーが今週末、新潟と札幌の2場で大挙9頭を出走させる。

 3場開催の時は土日合わせて10頭以上を出走させる週も珍しくないが、2場開催の週としてはかなり多めの頭数。しかもそのラインアップはかなり強力で、どの馬にも勝つチャンスがありそうだ。

 出走予定馬の前走着順は「2-3-2-1/8」で、唯一馬券圏外だったニシノプロポーズ(日曜新潟7R・1勝クラス)ですら、前走は僅差の4着に好走している。

来年のオークス“予約済み”の2歳牝馬が登場!

 まさに西山オーナーが“総攻撃”を仕掛けてきた2日間といえるが、9頭のうち唯一デビュー戦を迎えるのが、先陣を切って土曜新潟6R・2歳新馬(芝1600m)に登場するニシノコマチムスメ(牝2歳、栗東・橋口慎介厩舎)だ。

 牝馬限定の同レースには、サリオスとサラキアという重賞ウイナーを兄姉に持つ良血馬サフィラが出走を予定しているが、ルーラーシップ産駒のニシノコマチムスメも魅力的な血統の持ち主である。

 強調したいのはその母系だ。4代母のニシノアートは、西山オーナーの父・西山正行氏(故人)が所有した生粋の「ニシノ血統」の馬。ニシノアート自身は未勝利のまま繁殖入りしたが、「西山牧場」名義で走った娘のブランドアート(ニシノコマチムスメの曾祖母)は、フラワーC(G3)を制し、オークス(G1)にも駒を進めた(結果はアドラーブルの17着)。

 さらにブランドアートの娘ニシノフジムスメ(ニシノコマチムスメの祖母)は、3歳春に忘れな草賞(OP)を制覇。母と同じオークスの舞台に立ち、藤田伸二元騎手を背に5着と健闘していた。

 そして、その娘でニシノコマチムスメの母に当たるのがディープインパクト産駒のニシノハナムスメである。残念ながら競走馬としては、4戦1勝の成績で3歳秋に屈腱炎を発症し、引退、繁殖入りとなったが、母として2021年に産んだのがニシノコマチムスメだった。

 西山ブランドの牝系にディープインパクトの血が注入された同馬に対する西山オーナーの期待は極めて大きい。ちょうど今年のオークスを前に西山オーナーは自身のSNSに、こうつぶやいていた。

「わりーけど、この馬走るよー。来年のオークス予約」

 祖母と曾祖母がオークスに出走しているだけに、当然ニシノコマチムスメにも同じ大舞台に駒を進めてほしいというのが親心というものだろう。実際、西山オーナーもこの2歳牝馬に確かな手応えをつかんでいるかもしれない。

 2日に栗東坂路で行われた最終追い切りでは、4ハロン53秒0の好時計をマーク。これは同レースに出走を予定している関西馬6頭の中では最速だった。

 管理する橋口師もまた、1週前追い切り後の『日刊スポーツ』の取材に対し、「軽い走りをするし、新潟コースは合いそう。前向きさもあって、初戦からやれると思う」と強気のコメント。メンバー構成は決して楽とはいえないが、来年のオークスを“予約”している身とすれば、易々とは負けられないだろう。

 今週末に有力馬を一斉スタンバイさせた西山オーナー。所有馬9頭による総攻撃は、ニシノコマチムスメが口火を切る。

GJ 編集部

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