ダービー馬ドウデュースとも「共通点」あり! ハーツクライ産駒「最後の大物候補」が鮮烈デビューV
5日、新潟競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝1800m)は、松山弘平騎手の1番人気ファーヴェント(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)が、単勝1.3倍の圧倒的支持に応えて2馬身差で優勝した。
同馬の父は、これまでジャスタウェイやリスグラシューなど数々の名馬を世に送り出してきた種牡馬ハーツクライ。現役時代にはディープインパクトともしのぎを削った同馬だが、残念ながらすでに他界しているため、現2歳が最終世代となる。
そんな父のラストクロップであるファーヴェントは、母が現役時代5勝を挙げてオープンまで出世したトータルヒート。先月、ダートの自己条件で衝撃の大差勝ちを決めたサーマルソアリングの半弟にあたる、期待の血統馬だ。
レースでは4枠5番からポンと好スタートを切るも、松山騎手が「前に壁を作る競馬をした」と振り返った通り、馬群の中で競馬を教えながらの追走。1000m通過は64秒5と超スローペースだったが、しっかり我慢を利かせながら最後の直線に入った。
進路を確保するまで多少の時間を要したものの、前が開けて鞍上がゴーサインを送ると鋭く脚を伸ばす。ラスト200mで先頭に立つと、ゴール前では手綱を抑える余裕も見せながらの完勝だった。
「500キロを超える馬体でありながら非常に素軽く、まさにセンスの塊のような競馬内容でした。まだまだ伸びしろもたっぷりありそうですし、これは相当出世すると思います。ついに“現れた”と見て間違いないのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
ライター曰く、何より注目すべきは、その血統背景だという。
ダービー馬ドウデュースとも「共通点」あり!
先述の通り父はハーツクライで、母父はマキャベリアン系のストリートクライ。母系にはヌレイエフの血も入っており、これはハーツクライの代表産駒の1頭であり、2017年のジャパンC(G1)を勝ったシュヴァルグランと非常によく似た血統構成なのである。
また母系にシアトルスルーの血を有している点は、昨年のダービー馬ドウデュースとも共通している。まさに種牡馬ハーツクライの成功パターンといって差し支えない配合であり、同産駒の「最後の大物」として育つ資質を十分に兼ね備えているといっていいだろう。
騎乗した松山騎手もレース後「着差以上に強い競馬。相当素質がある馬です」と、ファーヴェントの秘めたる能力を高く評価。同騎手といえば今年のダービーにハーツコンチェルトと挑むも、3着に惜敗。同じハーツクライ産駒の本馬でリベンジは望むところだろう。
管理する藤原調教師によると、次走は馬の様子を見極めてから決められるという。現役最強馬イクイノックスも制した夏の新潟・芝1800mの新馬戦からまた1頭、新たな大物候補が出現した。