イスラボニータ惨敗はルメール騎手が「絶好調過ぎた」から!? 改めて実感させられた競馬の難しさと「包囲網」の恐ろしさ

 ゲートが開いてからの約1分30秒間、本命馬は何もさせてもらえなかった。

 4日に行われた安田記念(G1)は7番人気のサトノアラジンが悲願のG1初制覇。昨年のダービージョッキー・川田将雅騎手が喜びを爆発させる一方、そのダービーで苦杯を舐めたC.ルメール騎手の1番人気イスラボニータは8着に沈んだ。

 無難なスタートを切ったイスラボニータは、いつものように好位を獲りに行こうとしたが、すぐ隣にいたロゴタイプが加速しながら内に切れ込んでいき、結果的に前がカットされてやや立ち遅れてしまう。あくまで結果論だが、道中7番手は9着に惨敗した昨年の中山記念(G2)以来の後方からの位置取りだった。

 その直後は上手くブラックスピネルの後ろにつけたが、今度は外からヤングマンパワーにフタをされたところで万事休す。終始密着マークに遭ったイスラボニータは、外にも内にも持ち出すことができないまま、最後の直線でも進路が確保できずに馬群に埋もれた。

 レース後、ルメール騎手が「進路がなかった。ラスト150mだけスペースがあったけど、遅すぎた」と肩を落としたように、決して力負けでなかったことは明らかだ。

 ヤングマンパワーに騎乗していた松岡正海騎手も結果は伴わなかったが、勝つために、そして1つでも着順を上げるために「最も乗れている騎手の1番人気の馬」を好きにさせないのは、ルール内であれば極めて有効な作戦の1つといえるだけに当然の判断だった。

 ちなみにイスラボニータは18頭中15番枠からのスタート。本来なら、そう簡単に馬群に包まれる位置ではなかったはずだが、この日はやはりイスラボニータにとって、いや、ルメール騎手にとっても、かなり”風当たり”が強かったように見えた。

 ただ、イスラボニータは1番人気に支持されていたとはいえ、単勝3.5倍というオッズが示す通り、決して実力が抜けた存在ではなかった。それでも1番人気に推されたのは前走のマイラーズC(G2)で久々の勝利を上げたこともあったが、それ以上に鞍上のルメール騎手が「3週連続G1制覇中」と絶好調だったことが大きな理由だった。

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