武豊キタサンブラックが支持率92%獲得!? 宝塚記念ファン投票から見える「今」の競馬界の事情……圧倒的「大スター」に支えられる栄華に一抹の不安
このような結果となったのは、頂上決戦となった天皇賞・春でサトノダイヤモンドがキタサンブラックに敗れたことを始め、4歳馬の多くが古馬の壁にぶつかった春シーズンだったことが少なからず影響している。春競馬のフィナーレとなる宝塚記念を迎える前に、立て直しを余儀なくされているというわけだ。
また、苦戦を強いられているのは4歳馬ばかりではない。
今年の春シーズンを賑わせた3歳馬たちに目をやると、最多獲得はオークス馬のソウルスターリングとなった。牝馬が世代1位になること自体が異例だが、2万9950票の獲得は昨年の世代1位だったマカヒキを上回るもの。
すでに阪神ジュベナイルフィリーズを含めG1を2勝していることに加え、父が21世紀の欧州最強馬といわれているフランケル、母も仏オークスなどを勝利した世界的な名牝であり、デビュー当初から「16冠ベビー」として話題になっていたことなどが影響しているのだろう。
ただ、ソウルスターリングが及第点をマークしている一方で、大混戦だった牡馬は苦戦を強いられる結果となった。
3歳牡馬の最多獲得は、皐月賞馬アルアインの1万7372票。これは昨年のマカヒキの2万6762票を大きく下回っている。また、日本ダービー(G1)を制して世代の頂点になったレイデオロも1万2666票に留まり、今年の3歳牡馬の不人気ぶりを如実に表す結果となった。
なお、先月の日本ダービーでも売上は前年比94%と大幅なダウン。入場者数に至っては晴天に恵まれたものの前年比89%と深刻な下落を示している。
無論、人気がないからといって、今年の3歳牡馬の実力がないと決めつけるのは早計だ。だが、少なくとも秋の菊花賞(G1)までには、新たなスター候補の台頭が望まれるのは間違いないだろう。