JRAの交渉むなしく登録数11頭の衝撃… なぜ宝塚記念に馬が集まらないのか?その裏側を探ってみた


 有馬記念は古馬、3歳馬、牝馬のトップクラスが揃うオールスター戦という位置付けがあるが、宝塚記念は3歳トップクラスの参戦は稀であり、古馬による争いという印象もぬぐえない。3歳トップクラスの馬が参戦したのは2007年の日本ダービー馬ウオッカまで遡るほど。有馬記念と比較して好メンバーが揃わないのは、3歳トップクラスの馬は秋華賞や菊花賞を目指して夏を休養に充てたいという陣営の思いが強いからだろう。

 そして、ファン投票の締め切りは6月4日と日本ダービーの一週間後で安田記念当日。つまりこの2レースを勝った馬はファン投票で不利な存在といえるのだ。そのため今年の日本ダービー馬レイデオロはファン投票24位で皐月賞馬アルアインよりも下なである。また安田記念を勝ったサトノアラジンはわずか3681票のファン投票44位。こういった状況からもこの時期のファン投票というのは非現実といえるのではないだろうか。

 JRAサイドも宝塚記念の注目度を高めようと、オリジナルのファンファーレを一般公募で集めるなど努力もしてきたが、年に一度しか使われないということもありなかなか定着せず。このファンファーレを口ずさめる人は少ないだろう。

 宝塚記念は東の有馬記念に対抗して作られた西のグランプリレースだが、実際は様々な状況が重なって競馬関係者からも競馬ファンからの支持が集まらず、盛り上がりに欠けてしまっている。加えて同じ阪神コースのG1レースに大阪杯が昇格したこともあり、さらに位置付けがぼやけてしまったように思える。今後レースの価値を上げるにはファン投票の在り方や開催時期、そして賞金の増額を含め、さらなる検討が必要だろう。

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