競馬界の象徴「武豊誕生」の根底にあった時代の変化……加速する騎手の圧倒的「格差問題」解消に向けJRAが再び推し進める「大改革」


 しかし、ジョッキー界が競馬学校の卒業生で埋め尽くされた近年は、それが当たり前となってしまった。当時のアドバンテージは、逆に”必要最低限の基準”と化したのだ。そういった事実も、今の競馬学校を卒業した新人騎手が活躍し辛い状況の一因となっているようだ。

 当然ながらJRAも若手騎手が育たない現状に対し、ただ指を咥えて見ているわけではない。

 その一環としてJRAは昨年、優秀な騎手を安定して確保するための施策を発表。競馬学校騎手課程の学費を免除するだけでなく、騎乗訓練の割合を増やし、フィジカルだけでなくメンタルトレーニングにも本格的に着手するカリキュラムを組むという。すでに昨年から実施されており、より優れた技術を持った新人騎手を輩出したい方針を打ち出している。

「武豊」という競馬の象徴が誕生したのが、競馬学校創設という大きな改革があって3期目のことだった。当時とは時代は異なるが、競馬界の未来のためにも競馬学校の新カリキュラムが成果を出した近い将来、新人時代の武豊騎手を彷彿とさせるような”大型新人”が現れることを期待したい。

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