【チャンピオンズC】テーオーケインズ松山弘平も警戒?「武豊不在」でも頼れる助っ人を確保、アイコンテーラーが狙うサンビスタ以来の牝馬V
秋のダート頂上決戦・チャンピオンズC(G1)が、12月3日に開催される。注目は前走の南部杯(G1)で大差勝ちを収めたレモンポップや、これまで5戦5勝、無敗の3歳馬セラフィックコールだろう。
しかし、主役はこの2頭だけではない。レモンポップやセラフィックコールにも引けを取らない注目馬が、牝馬アイコンテーラー(牝5、栗東・河内洋厩舎)だ。前走のJBCレディスクラシック(G1)でG1を初制覇の勢いそのままにここに駒を進めてきた。
JBCレディスクラシック時は、騎乗予定だった武豊騎手が負傷した影響で松山弘平騎手が代打騎乗し、見事結果を出した。そのままチャンピオンズCも松山騎手がアイコンテーラーに継続騎乗するかと思われたが、今回の鞍上は短期免許で来日中の名手J.モレイラ騎手を予定している。
モレイラ騎手は一時期「騎手引退説」も囁かれていたが、今年の成績は絶好調そのものだ。セントライト記念(G2)、東京スポーツ杯2歳S(G2)、京都2歳S(G3)など、日本の重賞で多数勝利を挙げている。アイコンテーラーにとっては心強い相棒と言えるだろう。
ちなみに今回、チャンピオンズCで松山騎手が騎乗するのは6歳の古豪テーオーケインズだ。松山騎手にとってテーオーケインズは新馬戦からのお手馬で、先約の関係もあってかこちらを選んだ形だ。
テーオーケインズは2021年の帝王賞(G1)とチャンピオンズC、2022年のJBCクラシック(G1)を制しており、間違いなく強豪馬の1頭ではあるが、今年はなかなか勝利を掴むことができていない。
相棒としての期間が長いだけに、松山騎手も今までの悔しさを晴らすような勝利を今回のチャンピオンズCで飾りたいだろう。
松山騎手&モレイラ騎手も評価するアイコンテーラー
しかしその一方で、松山騎手は今回のライバルであるアイコンテーラーの走りを高く評価していたことにも注目しておきたい。
JBCレディスクラシックを勝利後、松山騎手は『東京スポーツ』の取材で「すごい強くていい競馬をしてくれました」「追ってからもいい脚を使ってくれましたね」と絶賛していたのだ。
実は、この時の2着馬グランブリッジに騎乗していたのが、今回アイコンテーラーに乗り替わりとなるモレイラ騎手というのも興味深い。同じく『東京スポーツ』の取材にて「レースの流れも理想的で頑張ったが、1頭強い馬に負けてしまった」とコメントしている。その「強い馬」にこうして騎乗する機会が回ってきただけに、モレイラ騎手としても結果を出したいところだろう。
アイコンテーラーは牝馬ながらも、ダート転向後はまだ底を見せていない。その走りは牡馬にも負けていないはずだ。もし今回アイコンテーラーがチャンピオンズCを勝利すれば、2015年に16頭中12番人気という低評価から栄光を掴んだサンビスタ以来の牝馬Vとなる。
武騎手、松山騎手、モレイラ騎手と、この短期間で3人もの乗り替わりが発生したダートの女傑アイコンテーラーが、一体どんな走りを見せてくれるか期待したい。