武豊「復帰目前」ドウデュース有馬記念の後は「G1完全制覇」へ。「僕は帰ってきました」から約10年…キズナ産駒で偉業達成なるか

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 10月の天皇賞・秋(G1)当日に右太ももを騎乗馬に蹴られ、筋挫傷で休業中だった武豊騎手が8日、約1ヶ月半ぶりに調教への騎乗を再開した。

 弟・武幸四郎厩舎が管理するセキフウに跨ると、栗東のウッドコースを軽快に駆け抜けたレジェンド。まだ右膝の可動域は100%ではないようだが「乗馬クラブに行こうと思ったけど、お金がかかる。トレセンだとお金がもらえるからね(笑)」など“武豊節”を炸裂させ、順調な回復ぶりをアピールした。

 久々の追い切りで汗を流した後は、公式サイトも更新。「ドウデュースがいなかったらボクは今朝栗東に出向いていただろうか」「あの馬と有馬記念に出たいという思いが、治療とリハビリの支えになっている」など、復帰に向けてのリアルな胸の内を綴っている。

 来週の調教ではそのドウデュースに騎乗する予定であり、感触次第で実戦復帰の判断を下す予定だという。何はともあれ、いよいよレジェンドの戦列復帰が目前にまで迫っていることだけは確かなようだ。

有馬記念の後は「G1完全制覇」へ

 そんな武豊騎手にとって、ドウデュースと挑む有馬記念(G1)と同様に重要なレースが、28日に開催されるホープフルS(G1)である。

 なぜならレジェンドは、このレースを勝てば前人未到となるJRA・G1完全制覇の偉業達成となるからだ。

 今年の同レースには、センチュリボンド(牡2歳、栗東・庄野靖志厩舎)とのコンビで臨むことが想定されている。同馬にはデビューから2戦連続で跨っており、未勝利戦を2馬身差で快勝。「2戦目で前向きさが出て、手応えよく運べた。全体的に馬が良化して最後までしっかり走ってくれた」と、初勝利の際には武豊騎手もレースぶりに高評価を与えていた。

 前走の黄菊賞(1勝クラス)は療養中だったため、手綱を取ることができなかったが、C.ルメール騎手とコンビを組んだセンチュリボンドは2番手から直線抜け出すと、そのまま押し切って優勝。ホープフルSと同じ芝2000mで連勝中と距離適性の面では文句なさそうなだけに、あとは武豊騎手の手綱さばき次第でチャンスは十分ありそうだ。

 また、センチュリボンドの父がキズナであることも注目したい。

 キズナといえば、武豊騎手とのコンビで2013年の日本ダービー(G1)を優勝。当時の武豊騎手は10年に負った骨折の影響もあって長らくスランプに陥っており、11年にはJRAでのG1勝利が23年連続でストップ。翌12年はキャリア最低となる年間56勝に終わっていた。

 そんな中で、キズナとともにまさに完全復活を印象づけるようなダービー制覇。勝利インタビューでレジェンドが発した「僕は帰ってきました」のセリフはあまりにも有名だ。

 あれからおよそ10年の月日が流れた2023年。再び帰ってくる武豊騎手が、キズナの仔とともにJRA・G1完全制覇を達成することとなれば、これもまたドラマチックに違いない。

GJ 編集部

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