キタサンブラック「攻略法」をサトノ軍団が示した!? 宝塚記念(G1)を勝った大物調教師が「一人二役」をこなしたM.デムーロ騎手の神騎乗を絶賛!
昨年の有馬記念(G1)だ。2着となり、連勝を止められたキタサンブラックの鞍上・武豊騎手がレース後、悔しそうにそう言葉を漏らしていた。
「2番手から(の競馬)は想定通り。最後もいいタイミングで差し返せたかと思ったのですが……3コーナーでサトノノブレスにつつかれたのが痛かった」
レースが残り1000mを切った辺りだ。サトノノブレスがやはり早め進出の気配を見せ、外からキタサンブラックを刺激。その結果ペースが急激に上り、サトノノブレスは13着に沈んだが、約1000mのロングスパートを強いられたキタサンブラックもまた最後の最後に力尽き、最大のライバル・サトノダイヤモンドの強襲を許した。
結果的に犠牲となったサトノノブレスと、その利を見事に活かしてキタサンブラックから勝利を得たサトノダイヤモンド。この2頭が同じ池江泰寿厩舎の管理馬で、里見治氏がオーナーを務める「サトノ軍団」だったため、武豊騎手が「組織力」という表現を使ったのだ。
当時はこの”連携プレー”が多くの賛否両論を生んだが、その是非はさておき、少なくとも現役王者キタサンブラックが敗れる1つのパターンが見られたことは確かだった。
実際に、当時のキタサンブラックは京都大賞典(G2)とジャパンC(G1)を連勝中であり、この有馬記念の後も大阪杯(G1)と天皇賞・春(G1)を連勝している。つまり「負けることの方が珍しい」といえるほど抜けた存在だったということだ。だからこそ、この有馬記念は”打倒キタサンブラック”を狙うライバル陣営には大いに参考になったことだろう。