シンザン記念(G3)で「ルメデム」ならぬ「ルメルメデム」対決が実現!? ポタジェ半弟の手綱を任されたフランス人騎手の実力とは
年初の中央競馬は例年通り、東西金杯で幕を開ける。東は中山競馬場で、西は4年ぶりに京都競馬場で、6日から8日にかけて計72鞍が組まれている。
昨年165勝を挙げて、2年ぶりに騎手リーディングを奪還したC.ルメール騎手は、金杯デーの6日は“お休み”。2日目から登場し、7日は中山でフェアリーS(G3)をはじめ8鞍に騎乗予定。そして8日は京都に移動して、シンザン記念(G3)など6鞍の騎乗が決まっている。
寒さが大の苦手で、スロースターターとして知られるルメール騎手。過去2年は1月の重賞を勝っていないが、今年はフェアリーSでスティールブルー、シンザン記念ではエコロブルームとどちらも上位人気が予想される有力馬とコンビを組む。今年は開幕週からロケットスタートを決めたいところだろう。
ルメールと同じフランス人騎手の名はルメートル
そんなルメール騎手にとって大きな刺激となりそうなのが、同郷フランス人ジョッキーの存在だ。JRA短期免許を取得し、6日から2月末まで京都を拠点に騎乗する予定のA.ルメートル騎手である。
フランス生まれの34歳は、今回が初来日とあってその手腕は未知数。ルメール騎手と酷似している名前がファンの間で話題に上っているが、果たしてその実力はどうなのだろうか……。
「日本での知名度はそれほど高くありませんが、強気に先行するスタイルを生かしてフランスで年間60~70勝を安定して挙げていた騎手です。2~3年前から一気に頭角を現して、勝利数も年間100勝前後まで伸ばしています。
昨年はブルーローズセンとのコンビでフランスの牝馬二冠を達成しただけでなく、ビッグロックで英国のクイーンエリザベス2世S(G1)も制覇。これまでG1を通算8勝していますが、うち6勝が2022年の秋以降と、フランスに留まらず欧州でも最も勢いのあるジョッキーの一人と言えるかもしれません」(競馬誌ライター)
そんなルメートル騎手だが、3日間開催の開幕週はいきなり24鞍の確保に成功。うち17鞍がノーザンファームをはじめとした社台系牧場の生産馬というから期待の高さがうかがえる。
中でも注目に値するのは、シンザン記念でコンビを組むシトラール(牡3歳、美浦・萩原清厩舎)だろう。
兄姉に大阪杯(G1)を勝ったポタジェや、重賞4勝のルージュバックがいる良血馬で、未勝利戦を勝ち上がったばかりだが、初戦でダノンエアズロックと差のない競馬をしている。ここでも上位進出のチャンスは十分あるはずだ。
ちなみに同レースにはエコロブルームに騎乗予定のルメール騎手のほか、M.デムーロ騎手もタイセイレスポンスで参戦予定。かつては「ルメデム対決」が国内の重賞シーンを席巻したが、今年はシンザン記念を皮切りに「ルメルメデム対決」も何度か実現することになるかもしれない。まずは第1ラウンドの行方を見守りたい。