【徹底考察】ヴィクトリアマイル(G1) ルージュバック&シュンドルボン「超スローの中山牝馬S(G3)は『本番』につながるのか」
≪結論≫
・シュンドルボン
中山牝馬Sは内容、結果共にこの馬にとって非常に大きなものとなった。結果的に先に抜け出したルージュバックをゴール前できっちりと捉えたのだから、枠が隣だった幸運も重なって、終始マークに徹した吉田豊騎手のファインプレーだろう。
それから『考察』でも少し触れたように、右回りでは手前を替えるのがあまり上手ではないようだ。これは昨年のエリザベス女王杯でも同様の傾向が見られている。ただ昨年、新潟と東京で3連勝したように左回りでは問題なさそうだ。
中山牝馬Sよりもメンバーが強化されるここは当然苦戦が予想されるが、先述したように左回りに替わるのはこの馬にとってプラス。【血統診断】でも述べてように、スタミナや持続力に勝った馬なので、できることなら中山牝馬Sよりは前で競馬したい。先行抜け出しで3連勝したように、積極的な競馬の方が本馬の持ち味が生きるはずだ。
・ルージュバック
負けはしたものの、昨年の有馬記念以来の競馬で56㎏を背負っての2着であれば、悲観する内容ではない。むしろ、この馬の高い実力を改めて証明した一戦と述べても良いだろう。
ポイントはやはり、昨年の桜花賞(9着)以来となるマイル戦への対応か。【血統診断】では適性に問題はないとしたが、それはあくまで血統面での話。本番に近い距離だった中山牝馬Sが例外的な超スローペースだっただけに、ペースの速いマイル戦に対応できるかが大きな懸念となりそうだ。オークスや中山牝馬Sのような中団から前を伺う競馬が理想だが、想定より後ろの位置取りになる可能性も考慮したい。
その上で、昨年のエリザベス女王杯では後方16番手からの競馬を試みたが、上がり3ハロン2位の末脚を駆使しながら、勝ち馬から0.1秒差の4着。よく走った方だが、このレースは前が流れて後ろに有利な展開だった。後方からでも悪くはないが、エリザベス女王杯と似たような結果が待っていそうな懸念は拭えない。
(監修=永谷 研(美浦担当))