コントレイル、デアリングタクト世代のベテランが「最低人気」で超久々の祝杯!「真骨頂を見た」来月一杯でステッキを置くいぶし銀がまたも大仕事
13日、小倉競馬場の10Rに行われた小郡特別(2勝クラス)は、11頭立てシンガリ人気のダンツイノーバ(牝7歳、栗東・谷潔厩舎)と秋山真一郎騎手のコンビが優勝した。
芝1200mのレース。ダンツイノーバと秋山真騎手はスタート後、すぐに下げて最後方からレースを運ぶ。ハナを切ったグランツベリーの前半600m通過タイムは33秒1。開幕週ということを考えてもやや速かったか。
ダンツイノーバは絶好の手応えで4コーナーを上がっていき、最後の直線は大外。鞍上のゴーサインに応えるとメンバー最速となる上がり33秒5の末脚を繰り出し、先行勢をまとめて差し切ってみせた。
今年で明け7歳となったダンツイノーバは、三冠馬のコントレイルやデアリングタクトと同世代。2020年9月以来、約3年4ヶ月ぶりの白星は陣営にとっても格別な1勝となったに違いない。
また同馬を白星に導いた秋山真騎手も、これが2024年の初勝利となった。
来月一杯でステッキを置くいぶし銀がまたも大仕事
来月45歳になるベテランは昨年12月、調教師試験に見事合格。1997年に騎手デビューし、ここまでJRA通算1056勝、カレンブラックヒルとローブティサージュでG1も制している職人気質の同騎手だが、今年2月一杯をもってステッキを置くこととなった。
なお重賞は38勝を挙げている秋山真騎手だが、そのうち2004年の中京記念(G3)を16頭立て16番人気のメイショウキオウ、06年の函館スプリントS(G3)をシンガリ13番人気ビーナスライン、そして08年のキーンランドC(G3)も最低16番人気のタニノマティーニで制している。
昨年8月に開催された小倉の釜山S(3勝クラス)でも最低人気・単勝万馬券のアッティーヴォで1着。三連単102万円オーバーの特大馬券を演出したことを覚えているファンもまだいるかもしれない。
そんな秋山真騎手がまたしても最低人気馬とのコンビで大仕事をやってのけただけに、レース後にはSNSやネット掲示板に「秋山真一郎の真骨頂を見た」「引退までにもう一発くらいありそう」「さすが超人気薄の秋山真騎手」「調教師になっても追いかけ続けます!」といった称賛のコメントが寄せられている。
「今日は展開もハマりましたが、よく頑張ってくれました。上でも通用する脚はあると思います」
レース後にはパートナーのダンツイノーバをそうねぎらった秋山真騎手。いぶし銀の手綱さばきが見られるのもあと2ヶ月弱というのは寂しい限りだが、人気の有無にかかわらず、この男の騎乗からは最後の最後まで目が離せそうにない。