【羽田盃(G1)展望】新ダート三冠初戦はJRA勢4頭×南関勢4頭が激突! 軸は川田将雅と初コンビ結成、白毛アマンテビアンコか
ダート三冠、ついに開幕!!
24日の大井競馬場で行われる羽田盃(G1)。これまで南関東3歳三冠の一冠目として行われてきたが、ダート競走の体系整備によって今年から中央も含めたダート三冠の一冠目として開催される。
京浜盃(G2)を圧勝した大井のサントノーレが有力馬の1頭に数えられていたが、ケガで回避したため、やはり中心となるのはJRA勢か。
4頭いるJRA勢の中で、実績・話題性ともに群を抜いているのはアマンテビアンコ(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)だろう。
本馬の祖母は突然変異で白毛に生まれたシラユキヒメ。母は南関東の重賞を3勝したユキチャンという白毛一族。アマンテビアンコも真っ白な馬体の持ち主だ。
昨年6月に東京ダート1400mでデビューを果たすと、C.ルメール騎手を背に1番人気に支持され、中団から鋭く伸びて初陣を飾った。
レース後、鞍上は「エンジンがかかってからの脚は良かった」「伸びしろがありますし、センスもあります」と絶賛。ただ距離に関しては「1600mまではいけると思います」と、どちらかというと短距離志向という見方を示していた。実際、1600mに延ばした次走のプラタナス賞(2歳1勝クラス)は3着に敗れている。
それでも3戦目のカトレアS(OP)で巻き返して2勝目を挙げると、2月に羽田盃のトライアル、雲取賞(G3)へと駒を進めた。1ハロン距離を延ばして初の1800mで迎えた一戦は、イーグルノワールに次ぐ2番人気。2番手を進んだライバル馬をマークする形で、アマンテビアンコは勝負所から早めに進出していった。
4コーナーでは先団を走る3頭とやや差がある4番手に位置していたが直線で猛追。なんとか2着を確保して羽田盃への優先出走権を手に入れている。
同レースでは勝ち馬に2馬身離されたが、ゴール前までしっかり伸びており、1800mのメドはついたといえるだろう。ルメール騎手がケガのため騎乗できないので、今回は川田将雅騎手に乗り替わる。白毛の牡馬として初のG1制覇を成し遂げることができるか。
そのアマンテビアンコを雲取賞で破ったのがブルーサン(牡3歳、栗東・川村禎彦厩舎)だ。
昨年7月のデビューから3戦連続で凡走していたが、全て芝でのレース。4戦目でダートに転向すると初戦は2着だったが、2戦目で勝ち上がった。
その後は1勝クラスを3度目の挑戦で制し、雲取賞へ参戦。アマンテビアンコらに次ぐ3番人気に推されたが、直線で伸びあぐねるライバル勢を尻目にまんまと逃げ切った。
これまでダートで逃げた時は「3-2-0-0」とパーフェクト連対を続けており、和田竜二騎手とのコンビではダートに限ると3戦3勝。今回は1番人気に推される可能性もあり、他馬からの厳しいマークをかいくぐる必要がある。
京浜盃を圧勝した大井のサントノーレがケガで不在だが、同レースで2~3着に好走したJRA勢の2頭が出走に踏み切った。
2着だったアンモシエラ(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)は、デビュー4戦目で勝ち上がったように2歳のデビュー当初は馬も競馬をよく理解していないところがあった。
チークピーシズを装着するようになってからはゲートも上達。唯一芝を走った年末のホープフルS(G1)は15着に惨敗したが、それを除けば初勝利以降「3-1-0-0」の好成績を残している。
2走前のブルーバードC(G3)は3頭がタイム差なしの激戦を制し、前走・京浜盃はサントノーレに7馬身離されたが2着を確保している。過去68回の歴史の中で、牝馬が羽田盃を制したのは4頭だけ。1981年コーナンルビー、89年ロジータ、92年カシワズプリンセス、2011年クラーベセクレタに続けるか。
京浜盃でアンモシエラと3/4馬身差の3着だったのがハビレ(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)だ。
今年2月のヒヤシンスS(L)ではラムジェットの3着に好走した実力馬で、直後の1勝クラスを難なく勝ち上がり、京浜盃へと駒を進めた。同レースでは堂々の1番人気に推されたが、最初のコーナーで不利を受けて本来の実力を発揮できず。3着に敗れたが、大井の砂を経験できたことを生かしたい。
地方勢も少数精鋭
4頭のJRA勢に対抗する地元南関東勢も同じく4頭が出走を予定している。
ムットクルフェ(牡3歳、大井・的場直之厩舎)は、デビュー地の門別では「1-2-1-4」だったが、大井に転入後は「3-3-1-0」と成績安定。前走のクラシックチャレンジ(OP)を快勝してJRA勢に挑戦状をたたきつける。
マッシャーブルム(牡3歳、大井・坂井英光厩舎)は、半兄に今年の阪急杯(G3)で2着したアサカラキングがいる血統馬。前走の京浜盃は逃げた分、目標にされてしまい6着に沈んだが、好位から進めれば上位進出のチャンスはある。
ティントレット(牡3歳、大井・荒山勝徳厩舎)は京浜盃5着でマッシャーブルムに先着。直線でソラを使った分、上位勢からはやや離された。抜け出すタイミング次第では馬券に絡んでもおかしくはない。
フロインフォッサル(牡3歳、船橋・山下貴之厩舎)は、雲取賞で5着に敗れたが、上がり3ハロンタイムはアマンテビアンコに次ぐメンバー2位をマークした。決め手勝負に持ち込んで、一発を狙う。
以上のJRA・地方各4頭、計8頭の名前を全て挙げたが、前哨戦を見る限り、やはりJRA勢の優位は不動だろう。羽田盃は24日20時10分に発走を迎える。