「重傷」から復活したC.ルメールが無双状態! かつては武豊もキャリアハイをマーク
“無双状態”が続くC.ルメール騎手
9日のエプソムC(G3)で初コンビのレーベンスティールに重賞2勝目をもたらしたC.ルメール騎手。ここ2戦でシンガリ、11着に大敗していた馬をしっかりと1着に持ってきた腕はさすがだった。
最終レースも同じリアルスティール産駒のニュージーズで勝利し、この日は3勝の固め打ち。土曜の4勝と合わせ、先週は計7勝の荒稼ぎとなった。
そんなルメール騎手は、その前の週にも土日で6勝をマークと現在絶好調。実はここ4週連続で6勝以上の固め打ちを決めるなど“無双状態”が続いている。
3月に開催されたドバイターフ(G1)の最後の直線で落馬し、鎖骨と肋骨の骨折および肺に穴があく重傷を負った同騎手。当初は春クラシックでの騎乗はおろか、復帰してからも怪我の影響を懸念する声がちらほらと聞かれていた。
しかし、5月上旬にカムバックを果たして以降は【29-12-7-19/67】勝率43.3%、連対率61.2%、3着内率71.6%という抜群の成績。怪我の影響どころか、休養前を上回るペースで白星を積み重ねているのだから驚きだ。全国リーディング首位の川田将雅騎手にも先週の開催終了時点で1勝差まで迫っており、逆転も時間の問題だろう。
武豊騎手も怪我から復帰後、好成績を残した
ちなみに、過去にも大怪我から復帰後、抜群の成績を残したジョッキーがいた。武豊騎手だ。
同騎手は2002年2月24日の中山3Rで落馬。腰を打ち付けて船橋市立医療センターに搬送されると、骨盤骨折で全治3~6ヶ月との診断が下された。その年のダービーはもちろんのこと、秋競馬にも間に合うかどうかといったほどの重傷である。
しかし、驚異的な回復力と懸命なリハビリトレーニングを経てわずか2ヶ月足らずで戦列に復帰すると、その年の日本ダービー(G1)をタニノギムレットとのコンビで優勝。その後も順調に勝利を積み重ね、12月にはJRA記録となる1日8勝をマークするなど、最終的に年間133勝を挙げて全国リーディングに輝いたのだ。
それから20年以上が経ち、今年で騎手生活38年目を迎えている武豊騎手だが、2002年にマークした勝率29.1%、連対率43.5%、3着内率56.0%は今でもキャリア最高の数字となっている。
「怪我の功名」ということわざも存在するが、果たしてルメール騎手は今年の終了時、どれだけの成績を残すことになるだろうか。