永島まなみ「後方ポツン」から異次元の切れ!人馬の恋はいつでも初舞台…「前残り多発」小倉で見せた直線一気

小倉で好調の永島まなみ騎手 撮影:Ruriko.I

 夏の小倉で永島まなみ騎手が好調だ。

 4勝を挙げた松山弘平騎手、3勝で2位の西村淳也騎手に続いて2勝で6人が並んだ開幕週。川田将雅騎手や田口貫太騎手と同じく永島騎手もこのグループに食い込んでいる。

永島まなみ騎手が出会った素質馬は見どころあり

 区切りとなる100勝目のかかった日曜の7Rは、公私で仲のいいライバル田口騎手に阻止されてしまったものの、そのひとつ前の6R・2歳新馬でデビュー勝ちを決めたユメシバイ(牝2、栗東・松永幹夫厩舎)は今後も楽しみな存在となりそうだ。

 6頭立ての芝1200m条件と頭数こそ少なかったのだが、その勝ち方はなかなか見どころのある内容だった。

 スタートこそ決めたユメシバイだが、もうひとつ行き脚がつかずにズルズルと後退してポツンと最後方から追走する苦しい展開となる。ただ他馬のスピードについていけずに遅れたのかと思いきや、最後の直線に入って外に持ち出されるとエンジンに点火。永島騎手のアクションに応えたユメシバイが一気に加速。1頭だけ異次元の切れ味で前にいる5頭を、アッという間に差し切ってしまったのだ。

「テンのスピードは見せてくれましたが、他の馬に前に入られたら怖がって、3コーナーから4コーナーで勢いが落ちてしまいました。それでも直線に向いてからはギアが上がりました。怖がりな面が直れば、もう少しリズム良く運べると思います」

 レース後のコメントで永島騎手がそう振り返ったように、前半で置かれたのは他馬を怖がっていたのが理由とのこと。気性的な危うさは課題となりそうだが、まるで他馬が止まって見えるかのような直線一気は強烈なインパクトを残した。

「ユメシバイの強さを物語っているのは、前残りが多発していた小倉の芝で最後方から突き抜けたことです。実際、開幕週の絶好馬場ということもあり、土日に行われた9R中5Rが逃げ切り勝ち。日曜メインの北九州記念(G3)でも、逃げたピューロマジックが行ったままで残りました。

勝ちタイムの1分11秒3(稍重)は目立たないですが、ゴール前で手応えに余裕が残っていたことを考えると、本気で走ったのは直線だけかもしれません。皐月賞馬ジオグリフの近親ということから距離が延びても問題なさそうですし、次走も注目したい馬ですね」(競馬記者)

 公式の馬名の由来は「夢の芝居」ということだが、某大物歌手のヒット曲「夢芝居」を連想させる名前でもある。歌詞にある「恋はいつでも初舞台」というフレーズもデビュー勝ちにお似合いだったかもしれない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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