佐々木大輔「北海道に来るのはやめよう」から巻き返し!素質馬サトノカルナバルと重賞初制覇…ブレイクの裏に「大物調教師」らの熱烈バックアップ

重賞初勝利を挙げた佐々木騎手 撮影:Ruriko.I

 13日に行われた土曜函館のメイン、函館2歳S(G3)をサトノカルナバル(牡2、美浦・堀宣行厩舎)とのコンビで制した佐々木大輔騎手。2022年のデビューから16度目の挑戦にして初の重賞タイトルを手に入れた。

 函館開催では前半に出遅れる誤算もあったが、徐々に調子を上げて横山武騎手に次ぐ2位まで巻き返しに成功。若手騎手の中でも存在感を発揮している。この調子なら舞台が札幌に替わっても引き続き好調キープを期待出来そうだ。

苦しんだ末の重賞初勝利に喜び爆発

 G1勝ちのある里見治オーナーが所有するサトノカルナバルは、関東の名門・堀厩舎の管理馬でもある。ゴール前でも手応えに余裕のある完勝だっただけに、このままコンビ継続なら2勝目、3勝目の重賞勝利も夢ではないだろう。

「何度もガッツポーズをしていたように相当嬉しかったと思いますよ。開催当初は騎乗依頼こそ多かったものの、なかなか勝てずに2週目が終わった段階でも1勝しか挙げられないスランプでした。これには本人も堪えたようで『来年は北海道に来るのはやめようかと思っています』と弱気な言葉も出ていました。

ですが、自身の騎乗を見つめ直して至らなかった点を修正しながら結果へと結びつけたあたりは、さすがですよね。元々がまじめで研究熱心な騎手。うまく軌道修正して後半から勝ち星を量産しました。積極的なポジション取りや力強いアクションで、追い方にも変化がありましたよ」(競馬記者)

 また、佐々木騎手に騎乗依頼する厩舎にもちょっとした変化があった。

 関東所属の佐々木騎手だが、最近は関西の厩舎から騎乗依頼も増えつつある。堀厩舎はもちろんのこと、特に顕著なのは須貝尚介厩舎の急接近だ。昨年の夏に同厩舎の馬に騎乗する機会があったのだが、これをきっかけに須貝調教師から気に入られたのか、今年の騎乗依頼数でエース級の扱いを受けている。

 それも函館開催が始まる1ヶ月以上も先から、佐々木騎手のエージェントに体を空けておくように伝えていたらしい。調子の出なかった前半戦でも見限ることなく、今後も有力馬や素質馬を任せていくという話も聞いた。

「北海道開催は競馬以外の楽しみも多く、夜な夜な飲み歩いたり、暴力沙汰のトラブルを起こした騎手もいましたが、佐々木騎手はとにかくマジメ。プライベートでハメをはずすこともなく、明け方まで連れ回す先輩騎手や同僚とも適度な距離感を保っていました。意識の高さが違うのでしょう」(別の記者)

 今村聖奈騎手と角田大河騎手が話題を独占したJRA競馬学校の38期生。同期に先駆けて重賞を勝利したように、早々に頭角を現したこの2人が牽引するだろうと感じた関係者も少なくなかっただろう。実際、G1初騎乗に注目も集まり、今村騎手と角田河騎手の仲睦まじい様子も好意的に捉えられていた。

 しかし、スマートフォンの一件から微妙に風向きも変わり、ルーキーイヤーに目立たなかった佐々木騎手が同期の出世頭まで成長した。競馬学校時代には教官から「今村や角田を見習え」といわれていたらしいが、現在は立場が完全に逆転してしまった。

 今年の札幌開催はC.ルメール騎手が新潟を拠点にするため不在。この流れなら札幌リーディングも十分に視野に入ってくるのではないか。

GJ 編集部

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