「ドゥラメンテ×フランケル」良血2歳馬がレコードV!パドックで放馬もなんの「矢作厩舎×DMMドリームクラブ」から新たな大物候補が誕生
良血キングスコールがレコードV!
21日の札幌競馬で楽しみな2歳馬が初陣を飾った。
8頭によって争われた5R・2歳新馬(芝1800m)は、テリオスララが単勝1.8倍で1番人気の支持を集めたが、その大本命馬を難なく打ち破ったのが2番人気キングスコール(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。
キングスコールは好スタートを決めると、ダッシュを利かせて前へ。逃げる構えを見せつつも、内から主張したショウナンサムデイにハナを譲り、2番手に控えて最初のコーナーを迎えた。
前半は逃げ馬をピタリとマークして2番手でレースを進めたキングスコール。しかし、1000mを通過したところでテリオスララとルージュミレネールの2頭が中団から一気に進出し、先頭に並びかけてくると、逃げていたショウナンサムデイが4番手に下がるなど馬群が目まぐるしく入れ替わる展開となった。
押し出されるように3~4コーナーの中間地点で先頭に立ったキングスコールは、楽な手応えで最後の直線を向くと、外から迫るテリオスララに付け入る隙を与えず。ゴール前で脚色は衰えるどころかもうひと伸びし、最後は3馬身の差をつけた。
まさに「テン良し、中良し、終い良し」のレースぶりを見せつけたキングスコールだが、驚いたのはその勝ち時計。1分47秒8は、2020年の札幌2歳S(G3)でソダシがマークした2歳コースレコードを0秒4も上回ったが、初戦でそれをマークしたのだから価値は高い。
いきなり好時計、好内容で勝利したキングスコール。今後への期待は高まる一方だが、血統も折り紙付きだ。
父は二冠馬のドゥラメンテ、母の父は怪物フランケルで、半姉には今年のクイーンC(G3)で4着に入ったサクセスカラーがいる。また近親に米G1勝ち馬のベラミーロードの名前もある超がつく良血馬である。
「矢作厩舎×DMMドリームクラブ」から新たな大物が誕生
また、キングスコールを所有するDMMドリームクラブと矢作厩舎のコンビといえばラヴズオンリーユーが有名。他にもダートのオープンクラスで活躍中のミスティックロアがいて、キングスコールの活躍にも期待ができそう。
そのDMMドリームクラブは、レース3日前に公式サイトでキングスコールのデビューまでの道のりをまとめた動画を公開していたので紹介したい。
詳細は7月18日に公開されたスペシャルムービーをご覧いただきたいが、当歳時に矢作師に見初められたキングスコールは若駒の頃から頭がいいと評判だったという。1歳の秋に育成牧場に移動した後も、落ち着き払った優等生ぶりは変わらず。夏の札幌を照準に絞ってからは順調に調整されてきた。
ただ、レースでは優等生ぶりを見せたキングスコールだったが、パドックで放馬のアクシデントがあったようだ。『スポーツ報知』の取材に対し、鞍上を務めた藤岡佑介騎手が「まだ気性が幼くレースでどうかと思っていました」と、レース後に不安があったことを明かすと、矢作師も「強い勝ち方ですが、ご覧の気性なので」と課題を口にするなど、“気性難”も露呈したデビュー戦だった。
それでも矢作師が次走について札幌2歳Sに向かうと明言した辺りは期待の表れか。ジキルとハイドのような二面性を見せたキングスコール。今後もレースでは優等生の走りを披露してもらいたい。