【クイーンS】藤田伸二を背に初重賞制覇を飾った「名牝」、今年の狙い目は武豊騎乗「恵量」の3歳馬?【東大式必勝馬券予想】

【東大式必勝馬券予想】

 今週末から夏の新潟開催、今が旬のノドグロや岩ガキが私を待っている!往復新幹線というお大尽様でもないので1日当たり2410円の“青春18きっぷ”で激安鈍行旅を楽しもうかと思ったら、上野を朝5時に乗っても新潟に着く時間にはレースが無い!

 今年から酷暑対策で11時35分の5レースの後は約3時間半の長い昼休みで次の発走は15時10分。メーンは15時45分で例年通りなのはいいが最終12レースは18時25分、この時間じゃ越後湯沢までがやっとで東京に帰りつけない。

 それなら新潟に行ったつもりで錦糸町駅前の「魚寅」で美味しい激安魚を買い徒歩1分のWINS錦糸町で涼んだ方がいいか……JRAさんにも今夏の観客動向や売り上げの結果を踏まえた上で来年の時間割は一考してほしいな。私の案は1Rを8:45にして午前中に7レース、そして昼休み中はスタンド内で飲めて美味しいイベントを求む!

 前置きが長くなったが新潟のアイビスサマーダッシュ(G3)は去年書いたので、今年は札幌のクイーンS(G3・芝1800m)にしよう。今年で第72回を迎える伝統の牝馬限定重賞で、初回は「鳴門秘貼」「宮本武蔵」で有名な作家・吉川英治が馬主のチエリオが戴冠、以来秋の中山or府中で行われていたが2000年から夏の札幌開催となった。

藤田伸二を背に初重賞制覇を飾った「名牝」

 私の思い出の馬はそのミレニアム初回、堂々1番人気で勝った4歳トゥザヴィクトリー(馬齢は現呼称)。後に重賞5勝のトゥザグローリー、皐月賞(G1)と有馬記念(G1)で2着トゥザワールドの母となる名牝だが実はこのクイーンSが初重賞制覇だった。

 トゥザヴィクトリーは1998年12月の新馬戦を快勝後、年明けの3戦を2、1、3着の後抽選で滑り込んだ桜花賞(G1)が3着。1番人気で臨んだオークス(G1)はゴール寸前でウメノファイバーに差され2着、秋華賞(G1)も1番人気で13着大敗ともどかしく3歳戦を終え、休養後古馬となった3戦目に選んだのがクイーンS。トゥザヴィクトリーはテン乗りのご当地騎手・藤田伸二を背に単勝1.8倍の1番人気。2番人気はフランスでデビューし英オークス(G1)4着の“帰国子女”サンデーピクニック。爽やかな北の夏空、良馬場で13頭のゲートは開く。

 トゥザヴィクトリーはここでは力が違うぞ、とばかり黄色いシャドーロールも誇らし気にハナを奪う。後にダートで10勝する3歳馬プリエミネンスが2番手を追走し前半1000m通過は59秒5。隊列変わらず直線に入り1歳上で桜花賞2番人気6着の実績馬エイダイクインが猛追するも余裕の先頭ゴール。エイダイクインがクビ差2着、サンデーピクニックが3着。その名に違わず“トゥザヴィクトリー(勝利へ)”見事な逃走劇であった。

 彼女はこの年、さらに重賞2勝を重ね翌年ダート初挑戦のフェブラリーS(G1)を3着と好走し続くドバイワールドC(G1)で当時の日本馬最高の2着と大健闘。その秋のエリザベス女王杯(G1)で悲願のG1初制覇、2002年3月ドバイWC再挑戦(11着)を最後に現役引退となった。 “牝馬版ステイゴールド”の異名は国内G1で2、3着と勝ちきれぬも海外で活躍、引退後の素晴らしい繁殖成績の共通点からか。諸兄もエルムの森で花開いた偉大な母馬の名を記憶されたい。

 この辺で「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

 去年のドゥーラはじめアエロリット、アイムユアーズ、オースミハルカら3歳馬の活躍が目立つレース。今年も東大式鉄則“夏は恵量3歳牝馬!”で51キロのボンドガールを不動の本命に推す。何せ初戦で2着に退けたのが後のオークス馬チェルヴィニア、3着も京王杯2歳S(G2)勝ち馬コラソンビート。この新馬戦を伝説とするためにも負けてられない。

 前走NHKマイルC(G1)17着が気になるが、東大式鉄則“夏の牝馬に前走着順関係なし”。去年の2着馬ウインピクシスは福島牝馬S(G3)13着、3年前と一昨年連覇したテルツェットなんてそれぞれ14、13着(ヴィクトリアマイル・G1)ですぞ。

 相手も今回と同コース同距離(札幌1800m)3戦全連対のドゥアイズに決めつけ、潔くこの2頭の3連単1-2(3)着流しで大勝負。ここで航空券代をゲットして夏のスーパーG2・札幌記念こそ北の大地で現地観戦だ!Boys,be ambitious!!クラーク博士も呼んでいる。

 ちなみに札幌競馬場と北海道大学はお隣同士。ポプラ並木を散策し土日も開いている「エルムの森」でディナーして帰ろう。(一部敬称略)

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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