「勝った馬が強すぎた」単勝1.6倍に騎乗した横山武史も脱帽…「皐月賞馬の父」を彷彿とさせる大器がレコードVでクラシックに名乗り!
18日の札幌8Rに行われたクローバー賞(OP、芝1500m)は、2番人気ニタモノドウシ(牡2歳、美浦・高木登厩舎)と川田将雅騎手のコンビが優勝。これでデビュー2戦2勝となった。
過去の優勝馬にG1・3勝のアドマイヤムーンも名を連ねる夏の2歳戦だが、今年も特に大きな注目が集まった。なぜならミリオンローズが出走したからだ。
ミリオンローズは6月に行われた東京・芝1600mの新馬戦において、2戦目の未勝利を単勝1.1倍で大楽勝する大器エンブロイダリーとクライスレリアーナをまとめて退けた。ファンの間では超大物候補とも囁かれており、今回は単勝1.6倍の支持を集めていた。
それに対して前走、福島・芝1200mの新馬戦でデビュー勝ちを決めたニタモノドウシも強い競馬だった。スプリント戦では致命的なスタートで後手を踏みながら、最後の直線は33秒6の切れ味で豪快な差し切り。ミリオンローズに続く単勝2.9倍の評価を受けることとなった。
ニタモノドウシの走りに横山武史騎手も脱帽
レースは1頭が出走取消となり9頭立てで行われ、人気の中心ミリオンローズは前から3番手の好位を進む。今回はゲートを無難に決めたニタモノドウシが、それを見るような展開となる。
4コーナーでは2頭が並ぶ格好となり、最後の直線はマッチレースも予感させたが、ニタモノドウシがほとんど並ぶまもなくミリオンローズを交わし去り先頭に立つ。ゴール前で川田騎手は手綱を緩めていたが、最後はライバルに2馬身差をつける独壇場だった。
「勝ちタイムの1分28秒6は2歳コースレコードで中身も文句なし。これは来年のクラシックに向けて楽しみな馬が現れました。ミリオンローズに騎乗していた横山武史騎手もレース後には『勝った馬が強すぎた感じで、かないませんでした』と話しており、ニタモノドウシの走りに脱帽といった様子でしたよ。
ちなみに、ニタモノドウシという馬名は同じ嶋田賢オーナーが所有していた父ディーマジェスティに似ていることから名付けられたようです。追われてからの沈み込むようなフットワークなどは、確かに皐月賞馬の父を彷彿とさせます」(競馬記者)
新馬、特別戦で連勝を飾り、堂々とエリートコースに乗ったニタモノドウシ。近親には皐月賞馬イスラボニータも名を連ねているのだから、血統的にも楽しみな1頭であることは間違いない。
騎乗した川田騎手もレース後「体も気持ちもまだ幼いですが、ポテンシャルが高い馬です」と、高評価を下している。強敵を下して一躍クラシック候補に躍り出たニタモノドウシの今後が楽しみだ。