永島まなみ初重賞制覇に「陰の功労者」あり!? 米遠征で再度の乗り替わりも「爪痕」残したい大一番

柴田裕一郎騎手 撮影:Ruriko.I

 7月7日の七夕賞(G3)から始まった「サマー2000シリーズ」の掉尾を飾るのが、9月1日に新潟競馬場で行われる新潟記念(G3)だ。

 戦前の下馬評では、今年のオークス(G1)で3着に入ったラインバック、七夕賞を快勝したレッドラディエンスが上位人気に推されそうだが、ルーキーの柴田裕一郎騎手へと手綱が戻るアリスヴェリテ(牝4、栗東・中竹和也厩舎)も注目の1頭である。

 キズナ産駒の本馬は、永島まなみ騎手と初コンビを組んだ前走のマーメイドS(G3)で逃げ切り勝ちを収め、人馬ともに嬉しい初重賞制覇を遂げたばかり。陣営の期待も大きく新潟記念を使われた後には、11月2日にアメリカのデルマー競馬場で行われるブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)への挑戦も決まった。

アリスヴェリテの初重賞勝ちに陰の功労者あり

 今回手綱を取るのは、永島騎手ではなくルーキーの柴田裕騎手だ。惜しくも初重賞勝ちのチャンスを永島騎手に譲った格好だが、自身は5月28日の調教中に負傷して、右足首を骨折していたため騎乗は叶わなかった。

 ただ6月のマーメイドSには間に合わなかったものの、7月には無事復帰。アメリカ遠征では2021年から3年連続でカナダのリーディングを獲得している木村和士騎手が騎乗することもあり、4度目のコンビとなる新潟記念で好結果を残して、パートナーを送り出したいだろう。

 重賞勝ちこそ永島騎手とのコンビで成し遂げたアリスヴェリテだが、陰の功労者といえる柴田裕騎手の存在も大きかったはずだ。

「デビュー2戦目と3戦目で逃げたアリスヴェリテですが、4戦目以降は好位につける競馬で惜敗続き。再び逃げる競馬を試みたのが柴田裕騎手と初コンビを組んだ3月の1勝クラスでした。

しかも、ただの逃げではなく後続を大きく離す大胆な逃げ。自らハイペースを刻んで5馬身差の楽勝を飾りました。コンビ2戦目の四国新聞杯(2勝クラス)では控えたものの、勝ち馬ベリーヴィーナスに逃げ切り勝ちを許したこともあり、大逃げに転じた2勝クラスで勝利。これで陣営も迷いがなくなったはずです」(競馬記者)

 これだけお膳立てが揃ったなら、永島騎手も前例に倣うのみ。ハンデ戦で50キロの軽量にも恵まれたアリスヴェリテと大逃げを再現し、そのままゴールまで先頭を守り切って勝利を手に入れた。

「道中の進路取りや仕掛けのタイミングで、騎手の巧拙に差が出やすい後方待機策ではなく“行けるところまで行けばいい大逃げ”だったことも乗りやすかったと思います。もちろん結果を残した永島騎手も見事ですが、柴田裕騎手の試行錯誤があったからこそ得られたタイトルともいえそうです」(同)

 とはいえ、息の合う柴田裕騎手とアリスヴェリテのコンビも新潟記念の好走は、そう簡単にはいかないかもしれない。

 条件も牝馬限定戦から牡馬や自身より軽量の3歳馬が相手となり、ハンデも前走の50キロから3キロ増える53キロ。コーナー4回で最後の直線が320m程度だった阪神の芝2000mに対し、新潟記念の舞台はコーナー2回と少なく、最後も日本一長い660mの直線が待ち受ける。

 取り巻く状況は厳しくなるが、だからこそ好走を演じれば爪痕も残せる。乗れると噂されるルーキーの騎乗に注目だ。

GJ 編集部

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