ゴールドシップ、ソダシの名伯楽が快進撃!柴田善臣と同期の敏腕トレーナーは秋競馬でも注目の存在

白毛のアイドル・ソダシ 撮影:Ruriko.I

 須貝尚介厩舎が絶好調だ。

 マジックサンズで札幌2歳S(G3)を制し、フリームファクシのきさらぎ賞(G3)以来となる1年半振りの重賞制覇。既に41勝を挙げ、調教師の全国リーディングでも2位の友道康夫厩舎に2勝差のトップを快走中だ。

 過去最高は2022年の47勝だが、9月半ばということを考えれば、50勝の大台もクリアしそうなハイペースで勝ち星を積み重ねている。この勢いが続くようなら自身初のリーディングトレーナー獲得も見えてきた。

ゴールドシップ、ソダシの名伯楽が快進撃

 デビュー初の札幌リーディングとなった武豊騎手の影に隠れてしまったが、12勝を挙げた須貝厩舎も7勝で2位の堀宣行厩舎に大差勝ち。しかもその勝率は34.3%と驚異的なものだった。

「北海道開催には毎年力を入れていて、仲の良い調教師から馬房を借りて多くの管理馬を送り込んでいます。函館にはマンションも持っていますし、父の須貝彦三元調教師も函館に住んでいるくらいで昔から思い入れの強い場所なのでしょう。

開業3年目にゴールドシップとジャスタウェイの活躍で一躍トップトレーナーの仲間入りに成功し、その後もコンスタントに上位を賑わせる関西の名門になりました。厩舎の前に芝生を植えたのも須貝師が最初ですし、そういう革新的な面もある人です。維持するのに何十万もかかると話していました(笑)」(競馬記者)

 最近こそ落ち着いているが、須貝師はジョッキー上がりの破天荒なタイプ。体重管理から解放されたこともあってか騎手時代に比べて恰幅のいい体型となり、奇抜な髪型や言動などでも話題に上がることも珍しくなかった。

「過去には脚元に不安を抱える馬の出走診断が下りないにもかかわらず、出馬投票をしてしまい、JRAから呼び出されて厳重注意を受けたこともありました。関係者の話によると調教師免許の取り消しも匂わされた程だったようです。

その他にも凱旋門賞(仏G1)にゴールドシップとジャスタウェイで挑戦した際には、マスコミに対して高額な取材費を求めて大きな軋轢を生みました。また、最近ではショウナンの国本哲秀オーナーとも揉めていて、管理馬の転厩騒動も起こっているらしいです」(同)

 ただ、面倒見がいい人物で関係者からの人望は厚い。事実、開業当初から厩舎スタッフの入れ替わりもほとんどなく、喧嘩別れで辞めたという話も聞かないため、職場の環境がいい証拠だろう。

「ジョッキーから調教師に転身した人なので騎手の気持ちもよく理解していて、騎手の間でもあまり悪い話は聞きませんし、すこぶる評判はいいですね。ブレイクした佐々木大輔騎手を早い段階から高く評価していて、騎乗依頼数でもトップと主戦騎手級の待遇をしています。

今年の北海道でも開催何ヶ月も前から佐々木騎手の乗鞍を確保するほど熱を入れていましたよ。佐々木騎手もマジックサンズで期待に応えましたし、これからは重賞でも積極的な起用が増えそうです。それぞれ関西の調教師と関東の騎手ですが、将来的に黄金タッグと呼ばれる日も遠くないかもしれませんね」(別の記者)

 現3歳世代にクラシックを賑わすような馬はいなかったものの、その分、馬の入れ替えはスムーズ。今年の2歳世代はジェゼロやアルテヴェローチェ、ショウナンバルドルなど楽しみな素材が順当に勝ち上がった。

 調教の方針やジョッキーの選定などに一家言ある人物のため、生産牧場の意向が強くなるクラブ馬は多くないが、金子真人オーナーや大野照旺氏に大和屋暁氏など、個人馬主から預かったラインナップは豊富。アイドルホースとして一世を風靡(ふうび)したソダシの引退以降は存在感が薄れつつあったが、秋競馬で要注目の敏腕トレーナーといえるのではないか。

 すっかり貫禄の増した須貝師は今年で58歳。実はJRA騎手最年長の柴田善臣騎手と同じく日本中央競馬会競馬学校の第1期生でもある。

GJ 編集部

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