マスクトディーヴァ、ブレイディヴェーグが前哨戦で激突!C.ルメールも頭を悩ませるエリザベス女王杯はハイレベル必至?
今春の阪神牝馬S(G2)を制し、ヴィクトリアマイル(G1)で3着に入ったマスクトディーヴァは、次走の府中牝馬S(G2、10月14日・東京)に川田将雅騎手とのコンビで挑むことが分かった。同レースには、ブレイディヴェーグも出走を予定しており、両馬の直接対決は昨秋のローズS(G2)以来となる。
好勝負を演じた2頭が1年1か月ぶりの再戦だ。
勝ったマスクトディーヴァが、秋華賞(G1)でリバティアイランドの2着に惜敗した一方、敗れたブレイディヴェーグはエリザベス女王杯(G1)を優勝してG1制覇。マスクトディーヴァはG1獲りで後れを取った。
前哨戦でライバル2頭が激突
しかし、不完全燃焼で3着に敗れた前走のヴィクトリアマイルも、手綱を取ったJ.モレイラ騎手が「最後の直線でスムーズさを欠かなければ勝っていた」とコメントしていたように、本馬がG1級の実力を持っていることは間違いない。再びライバルを返り討ちにして、リバティアイランドへのリベンジを果たしたい。
だが、新コンビを結成した川田騎手は、リバティアイランドの主戦騎手でもある。本馬は天皇賞・秋(G1)を視野に入れて調整しており、おそらくジャパンC(G1)に使われるのだろう。そして、マスクトディーヴァもエリザベス女王杯で戴冠を狙うようなら、川田騎手の継続騎乗が濃厚。人馬の状況を鑑みると、残念ながら年内の直接対決は実現しそうにない。
とはいえ、今年のエリザベス女王杯はメンバー的にもハイレベルの一戦となりそうである。
出走が濃厚なマスクトディーヴァ、ブレイディヴェーグのほかにも、既に参戦を表明したレガレイラ、秋華賞に出走予定のチェルヴィニアやステレンボッシュの参戦も十分に考えられるからだ。もし名前を挙げた馬がすべて出走するようなら、非常に見応えのあるレースとなるのではないか。
また、複数の有力馬の主戦を任されるルメール騎手には、頭を悩ませる鞍上問題も発生する。
ブレイディヴェーグは、復帰戦に予定していた1日の新潟記念(G3)を軽度の筋肉痛で回避。陣営から府中牝馬Sの参戦が発表されたものの、鞍上は明言されていなかった。こちらについては、エリザベス女王杯を予定しているレガレイラも同様だ。
秋華賞に向かうチェルヴィニアは、ルメール騎手とのコンビが発表されているが、次走にエリザベス女王杯が選ばれるようなら、ルメール騎手の争奪戦は避けられない。
「レガレイラが秋華賞ではなくエリザベス女王杯に向かうのも、おそらくは“ルメール騎手の使い分け”が理由でしょう。ノーザンファーム系のクラブが、ルメール騎手を優先するのは今に始まったことでもないですし、場合によっては短期免許で来日する外国人騎手を起用する可能性もありそうです。
秋華賞や菊花賞(G1)は今ひとつ盛り上がりを欠く印象ですが、天皇賞・秋以降のレースは豪華メンバーで争われることになりそうです。その前に行われる凱旋門賞(G1)も坂井瑠星騎手のシンエンペラー、武豊騎手のアルリファーが挑戦しますし、やっぱり秋競馬は面白いですね」(競馬記者)
秋のG1シリーズを楽しむためにも懐具合は大事。今週末のスプリンターズS(G1)を的中してロケットスタートを決めたいところだ。