「秋華賞定番」桜花賞馬VSオークス馬対決の行方…データではステレンボッシュ優勢もチェルヴィニアに見逃せない反撃材料

チェルヴィニア 撮影:Ruriko.I

 今週末の6日は、京都競馬場で3歳牝馬のラスト一冠・秋華賞(G1)が開催。桜花賞(G1)を制したステレンボッシュ、オークス(G1)で同馬を下したチェルヴィニアの直接対決も実現する。

 秋初戦の京成杯オータムH(G3)を圧勝した昨年の2歳女王アスコリピチェーノは、秋華賞ではなくオーストラリアのゴールデンイーグル(11月2日、ローズヒルガーデンズ競馬場・芝1500m)を視野に調整されており不出走。同レースの1着賞金は525万豪ドル(約5億円)であり、1億1000万円の秋華賞を大きく上回る。今年の世代レベルは例年以上と見られているだけに、確勝を期しての挑戦となりそうだ。

 秋華賞に話を戻すと、当然ながら桜花賞馬VSオークス馬の構図となる。それぞれの鞍上が、勝負弱い印象が残る戸崎圭太騎手と大舞台に強いC.ルメール騎手という意味では、チェルヴィニアが一歩リードといったところか。

 ただ、チェルヴィニアの勝利は全3勝が関東圏。初めて長距離輸送を経験した桜花賞では見せ場もなく13着に大敗した苦い記憶もある。同じ関東馬の2頭だが、桜花賞を制したステレンボッシュには歓迎材料だ。

 ちなみに第1回の開催から昨年の第28回までの歴史で、桜花賞馬とオークス馬の対決は桜花賞馬が7勝3敗で先着と優勢。以下はその一覧である。

■過去の秋華賞で桜花賞馬VSオークス馬の直接対決

※秋華賞優勝馬(桜花賞馬、オークス馬)の順。着順なしは不出走。

96年 ファビラスラフイン(ファイトガリバー、エアグルーヴ10着)
97年 メジロドーベル(キョウエイマーチ2着、メジロドーベル優勝)
98年 ファレノプシス(ファレノプシス優勝、エリモエクセル7着)
99年 ブゼンキャンドル(プリモディーネ、ウメノファイバー4着)
00年 ティコティコタック(チアズグレイス4着、シルクプリマドンナ10着)
01年 テイエムオーシャン(テイエムオーシャン優勝、レディパステル3着)
02年 ファインモーション(アローキャリー、スマイルトゥモロー)
03年 スティルインラブ 三冠
04年 スイープトウショウ(ダンスインザムード4着、ダイワエルシエーロ)
05年 エアメサイア(ラインクラフト2着、シーザリオ)
06年 カワカミプリンセス(キストゥヘヴン6着、カワカミプリンセス二冠)
07年 ダイワスカーレット(ダイワスカーレット二冠、ローブデコルテ10着)
08年 ブラックエンブレム(レジネッタ8着、トールポピー10着)
09年 レッドディザイア(ブエナビスタ二冠)
10年 アパパネ 三冠、(アパパネ、サンテミリオン)
11年 アヴェンチュラ(マルセリーナ7着、エリンコート10着)
12年 ジェンティルドンナ 三冠
13年 メイショウマンボ(アユサン、メイショウマンボ二冠)
14年 ショウナンパンドラ(ハープスター、ヌーヴォレコルト2着)
15年 ミッキークイーン(レッツゴードンキ17着、ミッキークイーン二冠)
16年 ヴィヴロス(ジュエラー4着、シンハライト)
17年 ディアドラ(レーヌミノル14着、ソウルスターリング)
18年 アーモンドアイ 三冠
19年 クロノジェネシス(グランアレグリア、ラヴズオンリーユー)
20年 デアリングタクト 三冠
21年 アカイトリノムスメ(ソダシ10着、ユーバーレーベン13着)
22年 スタニングローズ(スターズオンアース二冠)
23年 リバテイアイランド 三冠

 三冠馬や春の二冠馬を除けば、優勝馬は桜花賞馬(ファレノプシス、テイエムオーシャン、ダイワスカーレット)、オークス馬(メジロドーベル、カワカミプリンセス、メイショウマンボ、ミッキークイーンとほぼ互角。直接対決で先着した回数に限れば、桜花賞馬が上ながら、18年以降はオークスから直行した馬が6戦5勝と幅を利かせている。

 といっても5勝中の3勝はアーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドといった三冠牝馬であり、決定打とまではならないか。

 今年一角崩しの期待を持てそうな馬としては、武豊騎手のボンドガールや丹内祐次騎手のコガネノソラ、石川裕紀人騎手のクリスマスパレード、川田将雅騎手のクイーンズウォークらの名前が挙がるものの、二強の壁はなかなか分厚そうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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