「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
今年の中央競馬も28日のホープフルS(G1)で最後のG1が終了。昨年の優勝馬レガレイラは牡馬を相手に優勝し、暮れの有馬記念(G1)で現役最強に名乗りを上げた。
2歳チャンプ決定戦は朝日杯フューチュリティS(G1)も行われたが、こちらはマイルチャンプ決定戦。翌年のクラシックを占うなら芝2000mを舞台に争われるホープフルS組に一日の長がある。
主役を務めるのは下馬評でリードするクロワデュノール(牡2、栗東・斉藤崇史厩舎)だろう。
キタサンブラックの本馬は、デビュー戦で素質馬アルレッキーノを一蹴。2戦目の東京スポーツ杯(G2)では、24キロ増の馬体で危なげなく勝利。一瞬の切れ味も成長力も見せただけに、クラシック候補として申し分のない臨戦過程でG1獲りに挑む。
主戦の北村友一騎手と管理する斉藤崇史調教師のコンビは、名牝クロノジェネシスを送り出したことでも有名。今回は牡馬クラシックの大本命として期待の大きな1頭である。
ただ、いくら世代最強候補といわれる馬でもレースが終わってみないと分からない。今年はクロワデュノール以外にも好素材が出走を予定しているのだ。
ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
最強の刺客となりそうなのは、アイビーS(L)を好タイムで快勝したマスカレードボール(牡2、美浦・手塚貴久厩舎)だろう。
東スポ杯と同じ東京の芝1800mで勝ちタイムは1分45秒8と非常に優秀。これはクロワデュノールがマークした1分46秒7より0秒9も速かった。24キロ増で快勝したライバルに対し、マスカレードボールも12キロ増で圧勝した。2歳のこの時期ということを考慮すれば、3月21日生まれのクロワデュノールより遅い5月2日生まれ。伸びしろという意味では有利かもしれない。
また、マスカレードボールはG1級の素質を持ちながら屈腱炎の発症で引退を余儀なくされたマスクトディーヴァ(ルーラーシップ)の半弟。ドゥラメンテ産駒の弟もクラシック向きの血統である。鞍上には有馬記念を優勝して勢いのある戸崎圭太騎手と頼もしい。
未知の魅力ならマジックサンズ(牡2、栗東・須貝尚介厩舎)か。持ち時計に関しては時計のかかる北海道開催の上に稍重と重馬場なら気にする必要はなさそう。むしろ強調したいのは、札幌2歳S(G3)で下したアルマヴェローチェが阪神ジュベナイルF(G1)を快勝したことだろう。ロスなく内から立ち回った相手を外からねじ伏せたのだから価値がある。
ピコチャンブラック(牡2、美浦・上原佑紀厩舎)も石橋脩騎手から川田将雅騎手への鞍上強化が魅力であり、近親にG1馬が多数いる母母バレークイーンの血統も距離延長を苦にしない。ただ前述したマスカレードボールとの直接対決で完敗を喫した点がどうか。
来年のクラシックを賑わせてくれそうな好素材が集まった今年のホープフルSは、非常にハイレベルの一戦が期待出来そうだ。