世紀の大失敗? 新潟直線1000mコースが競馬記者にも競馬関係者にも不評の理由。
今週の注目は芝の直線1000mで行われる唯一の国内重賞アイビスサマーダッシュだ。
2001年に新潟競馬場に誕生した日本初の直線芝1000mコースは、当時大きな話題となり新潟競馬を代表するコースとなったわけだが、実は完成当初から賛否のあるものだった。というのもファンからは歓迎された直線コースではあったが、実は競馬記者や競馬関係者からイマイチ評判が悪かったのだ。
もともとこの直線1000mコースはJRAの番組上必要性があって作られたものではなく、どちらかといえば話題性で作られたようなものだ。海外でもカーブのない直線のレースはあり、実際に新潟競馬場で1000mが完成する前に日本のシーキングザパールが勝利したフランスのモーリス・ド・ゲスト賞(G1)、アグネスワールドが勝利したイギリスのジュライカップ(G1)、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞(G1)などが直線競馬であった。
日本では新潟で行われるアイビスサマーダッシュだけが唯一直線1000mの重賞レースであるが、実際のところスプリンターズステークスや高松宮記念といった短距離のG1レースを目指す関係者からすればあまり存在意義のないレースとなっている。
というのも1200mでコーナーのある高松宮記念やスプリンターズステークスと違い、直線だけ1000mのコースを走ることは、競走馬にとってあまりプラスではないというのだ。
「1000mの直線競馬を覚えてしまうと、1200mのコースがある競馬を走るのに支障が出てしまう。コーナリングがぎこちなくなったり、息を入れて走ることができなくなってしまう恐れもある」
と厩舎関係者が話していたことがあるが、同じ短距離戦でも直線の1000mとコーナーがある1200m戦は別物と考えていいだろう。