世紀の大失敗? 新潟直線1000mコースが競馬記者にも競馬関係者にも不評の理由。
アイビスサマーダッシュが創設された当初はそれなりの馬が揃ったものの、近年の出走馬は格下の条件馬が多く重賞としてレベルを問われるような位置付けになっている。
今年もフルゲート16頭が揃ったものの、そのうち7頭は条件馬で重賞勝ち馬はわずか3頭というのが現状だ。ちなみに7月2日に行われた短距離重賞のCBC賞は出走馬18頭はすべてオープン馬で、重賞勝ち馬は6頭とハイレベルなメンバー構成であった。
このことから見ても秋の短距離王決定戦であるスプリンターズステークス(G1)を本気で目指すようなトップホースは、アイビスサマーダッシュに出走しない傾向が強まっているといえるだろう。その辺りはある関係者に話を聞くとこのような返事が返ってきた。
「新潟の1000mははっきり言っていらないよ。このコースで勝っても他のコースや1200m戦で通用しない馬になってしまい、馬にとって逆効果だという見方もある。年に数回しか行われない新潟の1000mだけを目指すのも良いかもしれないが、それはそれで非常に使いづらい。もしスプリンターズステークスを目指すなら他にもステップレースはあるから、わざわざこのレースを選択する必要はない」
過去に短距離路線で活躍した実績馬がこのレースを勝つことはあったが、直線1000mでしか実績のない馬が、1200mや1400mの重賞レースで活躍する例は稀だ。2014年の優勝馬セイコーライコウなどから見てもそうだろう。またある競馬記者からはからはこんな声も聞かれる。
「このコースは明らかにJRAの設計ミス。だってスタンドの記者席や指定席からスタート地点やレースの前半を見ることができない。それはモニターやターフビジョンで見るしかないんだよ。せっかく競馬場にいるのにモニターでレースを見るなんてバカバカしいじゃないか。それに1000mの競馬はレースの駆け引きがなく一瞬で終わってしまう。残り半分ぐらいになってレースが見えたと思ったら、すぐにゴール。これじゃ見る側も楽しめないし盛り上がる部分がわからない。コースを作る時に記者の意見を参考にしてくれれば、もっと見やすいコースになっただろうに」
以上のように関係者からは不満の声が上がるレースだが、実は馬券の売り上げという点では競馬ファンの支持を集めている。昨年のサマースプリントシリーズでは下記のようにもっとも多く売り上げを記録しているのだ。