【G1回顧・ヴィクトリアマイル】ストレイトガールが連覇達成!ハイペースの中で明暗を分けた「経験の差」と最新のG1が繰り返す「復活の歴史」
それも仕方がない。ストレイトガールは今年になって7歳。現役牝馬としては十分な高齢である。それも一度、現役引退を表明しているのだから「燃え尽きたのでは」と考えるのも自然なことなのかもしれない。
しかし、このヴィクトリアマイルはJRAのG1の中で、最も浅い歴史しかないが「名牝復活」が繰り返されているレースだ。
2012年にこのレースを勝ったホエールキャプチャが、翌年には12番人気まで評価を落としながらも2着に激走。その時に1番人気で勝ったヴィルシーナも、翌年には11番人気に評価を落としながらも連覇を達成した。
そして、今年のストレイトガールも前年の覇者ながら7番人気の低評価だった。
だが、やはり「歴史は繰り返す」のか。これまでのヴィクトリアマイルの結果が示している通り、ストレイトガールもまた低評価を覆して、ディフェンディングチャンピオンの意地を見せた。7歳牝馬のG1制覇はJRA初の記録となった。
「手応えは抜群で、直線に向いても良い感じでした。7歳ですが、馬が頑張ってくれて頭が下がります。これだけのパフォーマンスを見せてくれたので、まだまだやれると思います」
勝った戸崎騎手も連覇となり、これでヴィクトリアマイル2勝目。この言葉と、ヴィクトリアマイルが示す歴史を信じるのなら、来年もストレイトガールを狙いたい。だが、果たして現役でいてくれるだろうか。
ホエールキャプチャの2年目が「12番人気」、ヴィルシーナが「11番人気」、そして今回のストレイトガールが「7番人気」。歴史が繰り返されるごとにディフェンディングチャンピオンへの敬意が少しずつ”マシ”になっているのは、我々競馬ファンがバカなりに少しは学んでいる結果であると祈りたい。