札幌記念「女帝エアグルーヴ」圧巻の連覇。武豊「不在」のエアスピネルは「同門」の偉大な先輩に続けるか
同じ「エア」の勝負服を背負った英傑は札幌の地で凱歌を揚げることができるだろうか…
今週末の札幌記念で約2ヶ月半ぶりにターフへ復帰するエアスピネル(牡4、栗東・笹田和秀厩舎)。今年の初勝利を飾った京都金杯から一貫してマイル路線を主戦場としてきたが、その京都金杯を勝って以降はめぼしい成績を挙げられず、目線を替えて2000mの札幌記念へ参戦となった。
現役最強馬キタサンブラックとの兼ね合いから、デビュー以来苦楽をともにしてきた武豊騎手とのコンビが解消されるなど、何かと競馬ファンの注目を集めている同馬。3歳時にはクラシック戦線で安定した成績を残しており、今回の距離延長がそう悪い方に出るとは思いづらいが、それでも激しい気性面を考えると不安がないわけでもない。新鞍上のルメール騎手の手綱さばきにも期待したいところだ。
ところで、札幌記念×「エア」といえば、昔からのファンならあの「名馬」を思い出さずにはいられないだろう。もちろん、1997年→1998年に牝馬ながら超ド級の圧勝で連覇を飾った女帝・エアグルーヴのことである。
3歳時のオークスで初のG1制覇。当時はまだ母ダイナカールゆずりの並外れた身体能力だけで結果を出しているような印象があり、その後は調整難がたたってトライアルを使えず、直行で秋華賞へ出走。レース中の骨折で大敗し長期離脱を余儀なくされるなど、競走馬としての完成には至っていなかった。
約半年のブランクを経て迎えた復帰初戦のマーメイドSを単勝1.9倍の断然人気に応えて快勝すると、続く2戦目に選ばれたのが札幌記念だった。