オルフェーヴルとディープインパクト「どちらが強い」? 「愛され方」の違いと「もう一つの戦い」
日本競馬の歴史を変えるような名馬が登場すると、ファンの間で必ずといっていいほど語られるのがいわゆる”史上最強馬論争”だ。
最近で、その「最強」の対象によくあげられるのが、2015年に顕彰馬に選出されたオルフェーヴルだ。G1競走6勝に凱旋門賞2度の2着。今年からは種牡馬として産駒がデビューしている。
そんなオルフェーヴルが、現役時代常に比較され続けたのが同じく2008年に顕彰馬に選出された”英雄”ディープインパクトだった。
「2005年に史上2頭目である無敗の三冠馬に輝いたディープインパクトは、後方から凄まじい切れ味で他馬を切り捨てる圧巻のレースぶりや、全レースで手綱を取った武豊のスター性もあいまって社会現象を巻き起こしました。あの時ほどの熱狂はオルフェーヴルにはありませんでしたね」(競馬記者)
日本競馬の顔である武豊とともに期待に応え続けたディープインパクトのほうが影響力は大きかったとのこと。しかし記者は、ディープの人気は”ライト”な部分もあったと続ける。
「ファンの中には”ディープファン”であり”競馬ファン”ではない人たちも多かったと思います。三冠を達成した2005年も馬券売上自体は前年を下回っていますしね。翌年フランスの凱旋門賞に挑戦したものの、レース後に禁止薬物が検出されて失格。当時は様々な憶測も流れ、”英雄”の名にミソがついたことは間違いありません」(同)
その一方、オルフェーヴルはディープとは完全に”真逆”の存在だったらしい。