佐々木主浩氏ヴィブロスなど「G1級メンバー」が府中牝馬S(G2)に集結! 超一流の中距離馬とマイラーが激突する「1800m」のG1昇格は?
それは冒頭で触れた毎日王冠(G2)にも同様のことが言える。今年も2400mのダービー馬マカヒキと、安田記念を勝ったマイル王サトノアラジンが激突し、なおかつどちらが勝つのか甲乙つけ難いレースとなるのは、本レースが1800mという絶妙な距離に設定されているからに他ならない。
ただ、世界的には競馬の根幹はマイルにあり、次に2000mが主流となっている。その一方で残念ながら1800mは、しばしば前哨戦的な意味合いが強いレースとして設置されている場合が多い。
日本もその流れに倣っており、芝では1800mのG1が存在しない。その替わりにG2には数多く見受けられ、天皇賞・秋の前哨戦に位置付けられた毎日王冠、エリザベス女王杯の府中牝馬S、皐月賞のスプリングS、大阪杯の中山記念などがそうだ。
しかし、その一方で毎日王冠や府中牝馬SがマイルCSを目指す馬の前哨戦であったり、スプリングSからNHKマイルC、中山記念から安田記念など、後々マイルG1を目指す馬が1800mのレースを前哨戦として使う例は珍しくない。
同時に1800mは一流の中距離馬とマイラーが激突するため、前哨戦の割にハイレベルなレースになることが多い。特に先述した1800mを経由してマイル戦に向かう馬は、好成績を残している印象がある。そういった意味合いも含め、近代競馬において1800mの地位や重要性は、年を追うごとに上昇しているといるだろう。
その象徴たる動きが、賞金総額600万ドルを誇るドバイターフの創設だ。
1996年に前身のドバイデューティフリーが誕生し、1777mを経て2010年から現行の1800mで行われているドバイターフだが、今では春の中距離王決定戦の1つとして世界的に定着しつつある。過去にアドマイヤムーンやジャスタウェイ、さらに近年はリアルスティールとヴィブロスで連覇中であり、日本にも非常に関連性の高いレースとなっている。
また、日本でも毎日王冠を始めとした芝1800mのレースのG1昇格の声は、年々大きくなっており、積極的に番組改編を進める今のJRAの姿勢を見れば、1800mG1がいつ誕生してもおかしくはない状況だ。