【G1展望・日本ダービー】ついに始まる史上最強世代の頂上決戦!! さあ、「競馬の祭典」の幕開けだ!
可能性がある限り、武豊とエアスピネル(栗東・笹田和秀厩舎)は一歩も引くつもりはないだろう。
弥生賞ではリオンディーズとマカヒキに力の差を見せつけられたが、皐月賞ではまずリオンディーズとの立場を逆転。着順こそ相手の降着だが、不利さえなければ交わしていたことは明らかだった4着。厳しいレース展開でも持ち前の器用さを活かし、先行勢で最後まで抵抗した走りは、この馬の評価を再び押し上げるものとなった。
この日本ダービーでは、マイラー色の強いエアスピネルの距離が不安視されているが、そこは日本ダービー5勝の武豊の”魔法”が何とかするはず。オークスでクビ差の2着だった母の無念を晴らせるのは、ここしかない。
屈辱のレースから2歳王者リオンディーズ(栗東・角居勝彦厩舎)とM.デムーロ騎手が反撃に燃えている。
皐月賞では母シーザリオから受け継いだ人一倍の闘争心が、悪い方向に出て暴走。”狂気”さえ感じさせる歴史的ハイペースを生み出した一因となり、最後の直線では一杯になってエアスピネルとサトノダイヤモンドに迷惑を掛けてしまった。鞍上のデムーロ騎手も騎乗停止となるなど、このコンビにとってはまさに屈辱にまみれた皐月賞だった。
ダービーへの課題は折り合いという一点に尽きるが、僅か1カ月半でどれだけ改善されているかが大きなポイントだ。もしも、しっかりと折り合えたなら、昨年の朝日杯FS(G1)で見せたような豪脚が復活しても驚けない。
ここへ青葉賞(G2)を勝ったヴァンキッシュラン、京都新聞杯(G2)を勝ったスマートオーディン、NHKマイルC(G1)で2着したロードクエストらが合流予定となる今年の日本ダービーは、まさに史上最高のメンバーが集った。
果たして世代の頂点に立ち、世界に殴り込みをかける馬はどの馬か――。
この春、いや、「ここ数年の競馬で最大のレース」になるであろう第83回日本ダービーは、29日(日)の15時40分に発走予定だ。