何故リカビトスは秋華賞トライアルを使わなかったのか?「遅れてきた大物」が本番を勝つための「長期的戦略」の全貌
「3勝を上げる京都牝馬Sの他にも、スワンSや小倉記念の連覇など、とにかく偏った重賞勝利の傾向がみられる浜中騎手ですが、その要因はまず研究熱心なことが挙げられるでしょうね。
そのレースを勝つために最も参考になるのがVTRだけでなく、当時の感触も残っている『自分の勝った経験』だと思います。例えばその時に通った進路や、周囲の情報など、そのレースに適した”勝ちパターン”のようなものを見つけるのが上手いのかもしれません」(競馬記者)
重賞40勝の内、実に13勝が「被りレース」となる浜中騎手。その中でもG1で唯一複数勝利を上げているのが、この秋華賞だ。まだキャリアも浅く、一線級との対戦経験もないリカビトスにとって、この男の経験値は大きな力になるに違いない。
先ほど『常識的に考えれば「2度あることは3度ある」と、そう甘い世界ではない』と述べたが、この”偏食男”に限っては今のところ4度までならあり得る。
笑い話のようにも思えるが、何かと紛れの多い京都内回りコースで行われる秋華賞だけに、「遅れてきた大物」を補佐する「スペシャリスト」の経験と勝負勘は、侮れないものがありそうだ。