皐月賞馬アルアイン「菊花賞仕様」に思う”最強”調教師は、馬を「変える」池江泰寿か「変えない」藤沢和雄か……東西トップトレーナー「超一流の流儀」

 今年の皐月賞(G1)を勝った「西」の池江泰寿調教師と、日本ダービー(G1)を勝って春2冠を分け合った「東」の藤沢和雄調教師。ただこの東西を代表する両者には同じトップトレーナーとしては、あまりに大きな方針や流儀の違いがある。

 果たして、近代競馬における真の”最適解”を持つ「最強調教師」はどちらなのだろうか――。

 この春、当時無敗の女王だったソウルスターリングは、桜花賞(G1)でキャリア初の敗北を喫した。続くオークス(G1)は、1600mから2400mへ一気に距離が延長される舞台。初の敗戦によって「最強女王」の絶対的な信頼が揺らいだだけでなく、血統的にも母が2100mの仏オークス(G1)勝ち馬とはいえ、父がマイルを中心に活躍したフランケルということもあって、距離への不安は小さくはなった。

「正直、特別なことは何もしなかった」

 12日に発売された『Number』(文藝春秋)に掲載されたインタビューで、ソウルスターリングを管理する藤沢和雄調教師は、当時の状況に対してそう答えている。「1600mから2400mに延長されて、血統的にも少し長いか、と思えたけど、だからといって何をしたというわけではない」そこには、あくまで”自然体”で構える師の理論があった。

 結果的にソウルスターリングはオークスを勝利し、再び世代の女王の座に君臨。ただ、その際も師は「特別なことは何もしていない」と、あくまで自然体であったことを強調している。

 つまり、あえて特別に「人」の手を加えず、「馬」の生まれ持った適性を重視するのが、藤沢和雄の流儀「藤沢流」ということなのだろう。

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