天皇賞・秋(G1)ソウルスターリングに「克服不可能」な課題!? C.ルメール騎手が語る毎日王冠「最大の敗因」とは
様々な敗因が重なった毎日王冠だが、「イレ込み」は一度使ったことでガス抜きが期待できるし、「出遅れ」に関しても元々ゲートに難がある馬ではないので、次は解消される可能性が高い。「逃げ」たことは、今回はキタサンブラックやロードヴァンドールといった確固たる逃げ馬がおり、本馬がハナを切る展開にはならなさそうだ。
だが、だからこそ逆に「この距離では直線で速い脚が使えなかった」という言葉は気になる内容だ。
実際に敗れた毎日王冠の上がり3ハロンで、ソウルスターリングは34.0秒の脚しか使えなかった。最速の32.6秒で上がったサトノアラジンやグレーターロンドンらと比較すると、その600m間で1.4秒も逆転されたことになる。
無論、本馬が本来の走りではなかったことは間違いないだろう。だが、ソウルスターリングのキャリアハイを振り返っても、最速は今年3月のチューリップ賞(G3)の33.8秒(2位)。同じ東京1800mでは、2歳のアイビーS(OP)で33.9秒を記録しているが、目立って速い脚が使えているわけではない。
仮にソウルスターリングがサトノアラジンやグレーターロンドンと同じディープインパクト産駒であれば、本来の走りさえできれば「高速上がりが使える可能性が高い」と述べることもできる。
だが、本馬はフランケル産駒。日本でもすでに「無敗の21世紀最強馬」として人気を博している歴史的名馬だが、冷静に血統を紐解くと欧州のトップサイアーでありながら、日本で結果を残せていないサドラーズウェルズ→ガリレオといったサイアーラインだ。ましてや、ソウルスターリングの母は仏オークス馬。
言ってしまえば「コテコテの欧州配合」と見ることもできるのだ。
それでもソウルスターリングが結果を残してこられたのは、本馬の世代間で飛び向けた能力も然ることながら「長く良い脚を使うタイプ」と評するルメール騎手が巧みに、この馬の長所を引き出してきたからに他ならない。