天皇賞・秋(G1)シャケトラ「完全本格化」の予感……サトノダイヤモンド陣営が贈った「最大級の賛辞」とは
先述した通り、シュヴァルグランやキタサンブラックというG1級の先行馬たちが壊滅した流れの中、G1実績のないシャケトラが4着に粘ったことは称賛に値するに十分な内容。陣営のコメント通り、高い能力を再確認した一戦だった。
だが、ルメール騎手はレース後「もっとリラックス出来ていれば、また違ったと思います」と逆に悔しがった。言い換えれば「リラックス出来ていれば、勝ち負けに絡んでいた可能性があった」ということだ。
厳しい流れで4着と崩れなかったにもかかわらず、あえて課題を口にしたということは、このフランス人騎手が、本馬を「G1級」の存在であると認めている証に他ならないのではないだろうか。
また、シャケトラにとって初のG1挑戦となった今春の天皇賞・春(G1)でも、本馬の非凡な素質を裏付ける興味深いシーンがあった。
昨年の年度代表馬キタサンブラックと、その現役王者を有馬記念(G1)で退けたサトノダイヤモンド。この2強による一騎打ちは、かつてメジロマックイーンとトウカイテイオーが激突した天皇賞・春に倣って「世紀の対決」と呼ばれていた。
しかし、そんな中『週刊ギャロップ』(サンケイスポーツ)の取材を受けた池江泰寿調教師は「私の中では3強です」と2強対決を否定。そこで第3の存在として名が挙がったのが、まだG1を走ったこともなかったシャケトラだった。
池江調教師の話によると、自身が管理するサトノダイヤモンドと育成牧場時代、互角の動きをしていたのがシャケトラだったという。世代のエリートが集まるノーザンファームの中でも群を抜いて目立つ存在だったのが、サトノダイヤモンドとシャケトラの「2強」だったというのだ。