日本ダービー「最大の惑星」レッドエルディストを軽視すべからず! あまりに不気味な「戦績」と「状況」、そして四位洋文の「思惑」とは
大寒桜賞は隠れた「出世レース」?
大寒桜賞の歴代勝ち馬は、昨年のジャパンカップ3着のラストインパクト、今年の天皇賞・春で4着と健闘したタンタアレグリアと、一線級で活躍している馬が多い。特に不気味なのは、2012年の京都新聞杯を勝利し、ダービーでも3着と馬券に絡んだトーセンホマレボシがいる点だ。前述のレース内容からも、レッドエルディストが過去の勝ち馬と同等以上の力を有している可能性を否定できない。
青葉賞での「ダントツの上がりタイム」と、四位洋文騎手の思惑
青葉賞を勝利したのはヴァンキッシュラン。4番手から鋭く抜け出しての完勝で、かなり強い競馬であったことは間違いない。対するレッドエルディストは、9~10番手で前を睨み、最後の直線では外に持ち出して一気に加速。勝利したヴァンキッシュラン以外は完全に置き去りし、能力の違いは見せつけているが、その上がり3ハロンタイムは「33.9」。2位のヴァンキッシュランと0.6秒もの差をつける上がりを繰り出し、35~37秒がほとんどの他馬と明らかに違う脚色を見せている。
さらに、鞍上の四位洋文騎手はレース後「ダービー出走権を確実にするため、慎重に運んだ」という主旨の発言を残している。レッドエルディストとは初コンビという点もあるだろうが、もっと積極的に運ぶこともできたということか。仮に複数回四位騎手が手綱を取っていれば、ヴァンキッシュランとの着順が入れ替わっていたこともあるように聞こえる。ダービーでは、より早い仕掛けを見せて先団を飲み込む可能性もあるのではないか。
以上が、レッドエルディストを軽視してはいけない理由である。史上最強といわれる今世代だが、世代を牽引する主役たちだけで勝負が終わるほど、ダービーという舞台は単純ではないだろう。思いもよらぬ「怪物」が潜んでいる可能性を誰が否定できようか。レッドエルディストの不気味さは、そのまま「波乱」の可能性を示していると言えるのではないか。