2017年競馬「流行語大賞」発表! 浜中俊騎手の「もういいでしょう」を退け『2017競馬・流行語大賞』に選ばれたのは……
第7位「エージェント改革」
今や「実力よりも政治力」といわれる騎手。その問題の中心にいるのが、騎乗依頼を斡旋する騎乗仲介者エージェントと呼ばれる人々だ。この事態を重く見たJRA(日本中央競馬会)は、今年1月に関東の騎手を集めて事情を聴取。今の騎手界に蔓延るエージェント制度廃止に向け、大々的な改革に動き出した。
その成果は、関東を代表するベテラン横山典弘騎手や蛯名正義騎手といった大物を動かすなど、一時は着実に前進。しかしその後、一部の関西の騎手や若手騎手、既存の各エージェントといった関係者に猛反発を受け、改革を志半ばで断念することに。競馬の主催者側が、”現場の声”に押し返される異例の決着となった。
この秋、JRAはエージェント制度の変更を発表したが、どれも当初掲げた改革には程遠いものばかり。中にはさらなる温床を招きかねない変更点も存在し、エージェントの力は今後ますます競馬に強い影響を及ぼすことが懸念されている。
第8位「デムーロ神」
この秋のG1戦線は、とにかく「M.デムーロ騎手から買っておけば馬券が獲れる」といった状況だった。
今年5月のオークスをアドマイヤミヤビで3着に入線して以降、マイルCSまでの10戦連続で3着以内をキープ。特にこの秋は、日曜日の重賞も9週連続3着以内と大爆発。フェブラリーS、宝塚記念、スプリンターズS、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルCSと異なる馬で年間最多勝利記録となるG1・6勝を上げるなど、持ち前の勝負強さがさらに神懸っている。
そのため、この秋は「何も考えずにM.デムーロから買えばいい」と考える”信者”が大流行。デムーロ騎手が騎乗するだけで人気になり、結果を残すたびに馬券が当たったファンからは”神様”として崇められた。しかし、その快進撃もジャパンCで一時ストップ。浮き沈みの激しい騎手だけに、残りの12月をどのような形で締めくくるのかにも注目だ。
第9位「ホープフルS」
今年は新たに大阪杯とホープフルSがG1の仲間入りを果たしたが、その明暗はくっきりと別れることとなった。
もともと毎年G1級の名馬が集う大阪杯は、今年も前年の年度代表馬キタサンブラックが勝利するなど、新設された「春古馬3冠」の初戦としての地位を確立。依然、宝塚記念との舞台設定が近すぎる問題はあるものの、大幅な売上増もあって昇格初年度としては上々の滑り出しとなった。
ただ、その一方で有馬記念に替わって一年の競馬を締める役割を託されたホープフルSに関しては、昇格当初からファンを中心に不満が噴出。それだけでなく、前哨戦を勝ったワグネリアンやグレイルが早々に回避を表明し、メンバーの質の確保にも苦戦している現状だ。
また、12月28日の競馬開催に関しては競馬関係者からも不評を集めており、一部の関係者からは意図的に出走辞退するなどのウワサも……。既存の朝日杯フューチュリティSや阪神ジュベナイルFとの出走馬の分散化など、レース開催前から課題は山積みとなっている。